中日・柳裕也投手(24)が16日の広島戦(ナゴヤドーム)で8回途中2失点の好投で、約1か月ぶりに今季2勝目(3敗)を挙げた。5―2で勝利したチームは、2012年以来となる対広島戦の連勝を5に伸ばした。

 最速142キロながら伸びのある直球と、キレ味鋭いスライダーが冴え、赤ヘル打線から自己最多となる9三振を奪った。それでも2年目右腕は「1勝目を挙げてから間が空いて、ふがいない投球がずっと続いていたので何とか勝ててよかったです。常に勝ちたいという気持ちは持っていたけど、勝ち切れない、勝ちがつかないというのは、自分の実力がないということだと思って取り組んできた」と口から出るのは反省の弁がほとんど。

 4月10日のヤクルト戦で完封勝利を挙げて以降は、4試合に登板して0勝2敗、計15失点と精彩を欠いてきた。しかし、そのうち1試合を除けば試合はつくっており、そこまで悲観することはなく、朝倉投手コーチは「(ここ4試合は)そんなに悪い内容ではなかった」と指摘する。

 さらに中日OBから「柳はここまで勝てずにいたときに『結果を残さないと二軍に落とされてしまう』とずっと発言してきたけど、そんなことを言う立場ではない。二軍に落とされるのは10回失敗してからぐらいだよ。二軍落ちを心配するより、自分がチームを引っ張って絶対勝つという強い気持ちを前面に出してやってほしい」との声が出ている。

 選手会長の福田も「球速がそれほどないのにどの球でも空振りが取れるすごい投手。打者としては本当に嫌な投手なのに」と、もっと自信を持つべきだと訴える。今後の柳に必要なのは優等生発言やネガティブ発言ではなく、超ポジティブ発言ということか。