13K完封で4勝目の菅野 開幕2連敗からV字回復の裏

2018年05月12日 13時00分

7回二死二、三塁のピンチで藤井を三振に切って捨てほえる菅野

 絶対エースの快投が止まらない。巨人・菅野智之投手(28)が11日の中日戦(東京ドーム)に先発し、自己最多タイとなる13奪三振、今季2度目の完封で4勝目を挙げた。自身の連続イニング無失点記録も27に伸ばし、6―0で完勝したチームも3連勝だ。開幕2連敗と苦しんだ当時とはすっかり別人となったが、ここまでのV字回復を果たした理由はどこにあるのか――。

 背番号19が最後までマウンドに仁王立ちした。まさに圧巻の投球だった。2回一死からは実に7者連続の空振り三振。杉内俊哉(2012年)、久保裕也(03年)、大友工(1954年)の球団記録に並ぶ連続奪三振ショーを繰り広げ、その後のピンチも2度だけ。そのたびにギアを上げ、7回無死二、三塁の場面ではビシエドをスライダーで打ち取り、福田、藤井も渾身の直球で空を切らせた。鬼気迫る表情で雄たけびを上げた右腕は、9回に訪れた無死三塁も切り抜け、16年3~4月にかけてマークした自身の無失点記録の30イニングまで、あと3に迫った。

 自身4連勝とした菅野は「最高の気分でしたし、もっともっと最後までマウンドに立ちたい。(ピンチでは)絶対、完封しかないと意地を出しました」と汗を拭った。申し分ない結果に、由伸監督も「ノーアウトからのピンチがありましたけど、本当に力でねじ伏せたという感じ。期待以上とは言いませんけど、期待通りかなと思っています」とうなずくばかりだった。

 開幕から2試合連続の5失点で連敗した面影はもうどこにもない。転機はどこにあったのか。村田ヘッド兼バッテリーコーチによると、菅野と女房役・小林のコンビに変化を感じ取ったのは今季初勝利を飾った4月13日の広島戦(東京ドーム)からという。

「開幕したころは去年の成績もあって、みんなが抑えて当たり前と思っとった。そのつらさはあったと思うな。誠司(小林)とのバッテリーも“打たれたらアカン、打たれたらアカン”というのがあった。せやけど、打たれたらアカンちゃうぞと。打てるもんなら打ってみろやろと。持っているもので十分勝負できるんやから。本来は慎重さと大胆さは五分五分でなければアカン。それが慎重さが8で、大胆さが2やった」

 菅野は昨季、リーグ最多の17勝、防御率1・59など圧倒的な成績を残し、自身初の沢村賞に輝き、小林とは初めて最優秀バッテリー賞も受賞した。同コーチの見立ては守勢に入って連敗したことで、かえって“栄冠の呪縛”から解き放たれたというわけだ。

 最近では多彩な変化球を多投せず、ファウルも空振りも取れる直球とスライダーを中心とする“シンプルな”組み立てに移行。同コーチは「智之のスライダーは伝家の宝刀や。シンカーよりフォークの方が抜けがええし、真っすぐあってのスライダーや」と納得顔だった。

「(開幕直後の)あの時期は無駄じゃなかった。あの時期があったから今の自分がいる」と語ったエース右腕。快進撃がどこまで続くのか、見ものとなってきた。

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