オリックスは10日の日本ハム戦(京セラドーム)の延長12回、相手のエラーを誘って2―1とサヨナラ勝ち。上位3チームから4カード連続で勝ち越しを決め、借金を2に減らした。打線もようやく上向きとなってきたが、奮闘しているのはリリーフ陣で、中でも勢いに乗っているのが高卒2年目・山本由伸投手(19)だ。

 150キロを超すストレートとカットボール、スライダー、ツーシームを武器とし、8試合に登板して1セーブ、防御率0.00。この日も8回に3番手として登場し、大田、アルシア、中田を2三振を含む三者凡退に切って取った。その剛腕にチーム内から「かつての守護神の平井(現投手コーチ)のようだ」との声もあり、もっか売り出し中の若武者だ。

 その山本が刺激を受けているのが同年齢の格闘家“神童”那須川天心だ。格闘技好きの山本は那須川のファイトに魅了され、RIZINでの試合などを映像でチェック。「若くて強い。同い年ですごくてかっこいい」と目を輝かせる。先日のソフトバンク戦の福岡遠征の際、偶然、RIZIN選手と同宿となり、テンションが上がって「やばかった」という。

 しかし、その一方で山本は「僕が頑張って那須川選手を振り向かせたい、と言ったら僕が下から追いかけるみたい。下から行くのは好きじゃない」と気の強さも見せる。今は那須川の方が知名度で先を走っているかもしれないが、山本も剛腕でファンを魅了して球界の“神童”に上り詰める決意だ。