不振でベンチスタートが続いていた阪神・鳥谷敬内野手(36)が6日の中日戦(甲子園)で6試合ぶりに「1番・二塁」でスタメン出場。6回二死一、二塁から左越えに2点二塁打を放つなど2安打2打点1四球で、チームの2カード連続勝ち越しに貢献した。適時打は4月15日のヤクルト戦以来、実に14試合ぶり。金本監督は「大きな追加点になって良かった」と喜んだが、鳥谷本人は「普通ですよ。みんなでカバーするという気持ち。自分の役割をやるしかないです」とクールだった。前日まで打率1割3分5厘、2打点、0本塁打。この日のスタメン出場は上本博紀内野手(31)左膝前十字靱帯損傷の疑いで出場選手登録を抹消されたことに伴うものだが、奮起しなければならない理由もあった。指揮官の“恩情”で開幕から続く史上2位の連続試合出場記録がそれだ。

 ここまでさほど重要ではない局面での守備固めや代打の繰り返し…。記録を優先した起用が続いていることから、辛口の阪神OBたちは「鳥谷を見ていたらこちらがつらくなる。自分から言うタイプでないのは分かっているけど『記録はもういいですから』と監督に言わないといけない時期に差し掛かっていると思う」「鳥谷も毎日毎日、忖度してもらってどう考えているのかが分からない。金本監督も現役時代に(連続試合出場記録の継続で)同じ思いをしてきただけにそのつらさは分かっている。鳥谷からの申し出を実は待っているのかも…」などと漏らしていた。鳥谷にとっては早く結果を出す必要があったのだ。

 このままなら鳥谷は現役時代の金本監督同様、全試合に出場しながら規定打席に届かないという不名誉な状況にもなりかねない。V奪回のキーマンとしてまだまだ頑張ってほしいが果たして…。