【マサチューセッツ州ボストン発】ここまで2試合に先発し、1勝1敗のヤンキース・田中将大投手(29)は10日(日本時間11日)、翌11日(同12日)に控えた同じア・リーグ東地区で首位を走るレッドソックス戦を前に「相手のチーム状況がどうとかより、自分がどう投げるかが大事。自分が一球ずつベストボールを投げていくだけ」と意気込みを語った。

 気がかりなのは当地の寒さだ。田中が登板前日のルーティンに臨んだ際も気温5度を下回っていた。当日も3度を上回ることはない予報だ。一発に泣いた前回5日の本拠地でのオリオールズ戦も気温5度の中での登板。寒さで指先の感覚に影響が出る可能性は十分にある。

 チームも前日8日(同9日)まで5勝5敗で3位。終盤の逆転負けや延長戦で力尽きるなど、やや“寒い”状況にある。しかし田中は「まあシーズンは長いですから。みんなシーズンの一部としか捉えていないと思う」と冷静に話す。「確かに惜しい試合を落としたりしていますけど、シーズンをやってればそういうこともあるし、みんな下を向いてない。おのおのが、やることをしっかりやっていけば」。まずは自らの投球に集中する考えだ。

 天候を含め、勝負事では思うようにならないことも多々ある。いかなる状況でも仕事をするために必要なのは「『しょうがない』って思うことですよね」と田中は言う。

「最高の一球を投げるためのベストは尽くしますけど、ミスが出たときに自分をネガティブなほうに持っていかないようにするのも僕は大事だと思うので」
 敵地でのレッドソックス戦は通算7試合に先発して2勝1敗、防御率3・35。昨年4月27日の対戦では、わずか97球の無四球完封でメジャー屈指の左腕セールに投げ勝つなど相性は悪くない。熱い投球で寒さも吹き飛ばす。