【ニューヨーク8日(日本時間9日)発】ヤンキースの田中将大投手(29)は11日(同12日)の敵地でのレッドソックス戦に備えブルペンに入り、22球を投げた。この日は朝から5度を下回る寒さで、田中もブルペン前、キャッチボールを入念に行っていた。チームはオリオールズ戦後、敵地ボストンへ向かった。5日(同6日)のオリオールズ戦は7回に逆転2ランを浴びて敗戦投手(1勝1敗)になったものの、6回まで無失点の好投だった。スライダーの精度に波があったが、早いカウントから速球系を使い有利に持ち込んだ。中盤からはスプリットを自在に操り自身の展開に持ち込めたが、この投球スタイルこそが、今季の田中を支えることになりそうだ。

 浅いカウントからアグレッシブに直球系で攻め、追い詰めたところで宝刀スプリット、スライダーで仕留める――。もちろん当時と心身のコンディションは異なるが、昨季のポストシーズン、アストロズ戦で見せたあのスタイルだ。田中本人は、あくまでも相手の対策によって投球スタイルは変わるというスタンスだが、女房役のサンチェスはこう力説した。「多くの打者が田中の変化球を待っているから、彼らの(田中への)アプローチや策略を変えるためにはファストボールをカウントの早い段階で使うのが重要。いろんな球種をミックスしてファストボールを使うことが大事になる。まさに(昨年の)ポストシーズンでの投球がポイントだ」

 ロスチャイルド投手コーチも、前回登板について「スプリットもスライダーもあまりよくなかったが、早いカウントで速球を使い、時には少し動かしながら、ゲームプランに沿ってよく投げてくれた」と評価。速球で打ち取るより、速球で他の球種を生かすことが重要としている。

 登板後、「前回登板よりは良くなっている手応えを感じている。いいものはいいと思ってやっていきます」と振り返っていた背番号19。ア・リーグ東地区の首位レッドソックス相手にどんな投球を披露してくれるか。