“恐怖の8番”大谷 エンゼルス指揮官「今はこのままで」

2018年04月08日 11時47分

3戦連発のホームランを放ちナインに迎えられる大谷

【カリフォルニア州アナハイム発】エンゼルス・大谷翔平投手(23)のバットが止まらない。6日(日本時間7日)のアスレチックス戦に「8番・DH」で先発出場し、2回の第1打席で3日の本拠地デビュー戦から3試合連発となる3号ソロを放ち、最大6点差を跳ね返す13―9の大逆転勝利の火付け役として貢献。“恐怖の8番打者”としてその存在感は日に日に増すばかりだ。

 本拠地登場3試合目でついにエンゼル・スタジアムに「オオタニ」コールが沸き起こった。5回、1点を挙げて2点差に迫り、なおも一死満塁。打席には2回の第1打席で3試合連続本塁打を放っている大谷を迎えようとしていた。

 めったなことがない限り集団的な応援はしないアメリカ人が声を揃えて「オ・オ・タ・ニ! オ・オ・タ・ニ!」の大合唱。結果的に相手投手が勝負を避けるような形で押し出し四球を与え、一発逆転の初グランドスラムを期待していた3万6023人の観衆は相手3番手・ヘンドリクスに容赦ないブーイングを浴びせた。

 というのも、デビューから打者として4試合目を迎えたばかりのルーキーが、今後起こすであろう歴史的シーズンの予告編のような本拠地3戦連発弾を2回の第1打席で放ったからだ。

 ア軍先発・ゴセットから放った打球はセンターにある「ロックパイル」エリアの中段の池に着水する449フィート(約137メートル)弾。美しいシルエットのフォームから、しなやかなバットコントロールで放たれた打球が描く放物線は、それだけで大谷が他の誰とも違う特別な存在であることを見る者に印象づけてしまう。

 チームの逆転勝利の導火線となった3戦連発3号ソロに、大谷は「今日はすごく良かったと思う。芯でも捉えていましたし、しっかりと自分のスイングが、形良くできていたんじゃないかなと思う」と自己評価した。

 日本人メジャーリーガーの3試合連発が2004年、07年のヤンキース・松井秀喜以来となったことには「すごい光栄なことです。結果的にホームランになっているというのは、いいスイングができているんじゃないかなと思う」と謙遜しながら「ただ、今日もいくつかチャンスの打席でものにできなかったところもあるので、しっかりと内容も考えながら次に向けて頑張りたいなと思います」と反省も忘れなかった。

 第3打席以降の「オオタニ」コールについては「チャンスで回ってきてましたし、得点してほしいという声に聞こえた。その中で各打席で反省点がありますけど、良かったこと、悪かったことをしっかり次の打席につなげていきたい」とした。

 ソーシア監督は「6点リードされたが、ベンチの雰囲気は明るかった。ショウヘイが本塁打を打ってから勢いに乗り、大きなヒットが出るようになった。みんな諦めていなかった」と“恐怖の8番打者”の圧倒的な存在感を強調。

 その上で大谷の“打順問題”について「いろいろと検討はするが、まだ開幕から1週間でブルペンもフル稼働中。落ち着いてくれば調整することも考える。今の打順では下位のショーヘイ、マーティン(・マルドナド)、バルブエナがよく打っている。相手投手には息をつく間もない打線だ。このまま打ち続ければ、打順が上がる可能性もあるが、今はこのままでいいと思う」。大谷が8番にいてこその流れは変えたくないようだ。

 先発投手としてプレーした選手が3戦連続本塁打を放つのは、ア・リーグでは1930年のベーブ・ルース以来。メジャーの歴史にさんぜんと輝く偉人の名を、再び大谷のバットが掘り起こした。