メジャーの優勝リングは絢爛豪華!そして16年Vカブスの粋な計らい

2018年04月07日 11時00分

2000年のヤンキースの優勝リング

【元局アナ 青池奈津子「メジャー通信」】ホワイトダイヤモンドが埋め込まれた「LA」のロゴを囲ういくつものブルーサファイアを、さらに囲むダイヤモンドと「2017 NATIONAL LEAGUE CHAMPIONS」の刻印…。開幕3日目の試合前、ドジャースの選手や関係者に配られた昨年ナ・リーグ優勝記念のリングは絢爛豪華だった。

 球団にもよるそうだが、大リーグでは優勝チームのみならず、準優勝チームにもオーナーがリングを贈るのがいつからか習わしになっていて、広報のジョン・チャッパー氏が「奇麗でしょ?」とうれしそうに見せてくれたが、その笑顔が指輪よりも輝いて見えた。

 大リーグで最初にリングを贈呈したのは1922年のジャイアンツとされており、当時はシンプルなデザインで、配られるのも選手のみだったところから、近年では装飾もサイズも価格も贈呈数も目が飛び出るほどの右肩上がりとなっている。

 以前、ヤンキースで長年選手のセキュリティーを担当しているエドワード・ファストゥークさんが「2000年のヤンキースの優勝リングが一番好きなんだ。おそらく、近年で一番レアな指輪だと思う。スタインブレナー(オーナー)が、少ししか作ってくれなかったから」と話していたのが頭に浮かんだ。

 90年代、関係者が指輪をネットオークションに出品したことが明るみに出て、怒ったスタインブレナー氏がそれまでのスタッフへの贈呈数を減らして配ったのだとか。

 04年のレッドソックスは500個以上、15年のロイヤルズは700個以上(約978万ドル分!)の注文を宝石商に入れたそう。指輪のデザインの決め方は、ヤンキースが96年に優勝した時は、様々なデザイナーがプレゼンに来たものから選び、16年のカブスは選手らの意見を取り入れている。

 そう、このカブスの優勝リングがすごいのだ。ホワイトゴールドに214個のダイヤモンド、レッドルビー、ブルーサファイヤがちりばめられており、約7万ドル(約744万円)とされている。

 大リーグで最も大きく重い03年マーリンズの指輪でさえ約4万ドルなのに、カブスはこれを1908個も作った。指輪にはA~Cまでのランクがついており、すべてが選手らに配られたA級ではないにしても、その額、天文学的な数字である。

 その指輪の一つを、昨年夏、カブスはスティーブ・バートマンという一人のファンにも贈呈した。彼は03年ナ・リーグの優勝決定シリーズ第6戦でスタンド際に飛んで来たファウルボールを外野手の手前でつかんでしまった。カブスはその試合に敗れ、シリーズも敗退してしまったため、バートマンさんに批判が集まった。それから14年間、世間の目から隠れるように生きてきた彼に「心の平和を取り戻してほしい」という球団オーナーの粋な計らいだった。

 汗と涙が詰まったリング、と言うだけでは表し切れない意味を持つ大リーグの優勝リング。明日、アストロズで配られるリングにはどんなエピソードが詰まっているのだろうか。

 余談だが、指輪と同じデザインのペンダントをリクエストすることもできる。ドジャースの前田選手は、奥さまにと記念のペンダントも頼んだそうだ。