【カナダ・トロント1日(日本時間2日)発】ヤンキースの田中将大投手(29)は、グラウンド上ではキャッチボールのみの調整だった。ロッカールームへ引き揚げる際、ブルペンに立ち寄ると軽くフォームを確認するしぐさも見られた。次回登板は中5日で5日(同6日)、本拠地でのオリオールズ戦に先発予定だ。

 ブルージェイズとの開幕カードを2勝2敗で終え、チームは久々にニューヨークに帰ったが、地元開幕戦となる2日(同3日)の天気予報はなんと雪。デーゲームとはいえ、日中の予想最高気温は7度で極寒の中でのプレーは必至だが、チーム内には不思議と“歓迎ムード”すら漂っている。

 一体なぜか。古くからのチーム関係者によると、雪の地元開幕戦は1996年以来だそうで、なんと「この年にチームは19年ぶりのワールドチャンピオンになったんだよ」。むしろ縁起がいいというわけだ。

 ちなみにその試合は96年4月9日。相手はロイヤルズだった。現在マーリンズの最高経営責任者となったデレク・ジーター氏も当時は新人。「9番・遊撃」でスタメン出場した。試合は選手の視界が雪でさえぎられながらも続けられ、7―3でヤンキースが勝利した。また、松井秀喜氏がヤンキースに移籍した2003年の本拠地開幕戦は雪で順延。松井氏は1日遅れの本拠地デビューを満塁本塁打で飾った。チームはワールドシリーズ(WS)に進んだものの、マーリンズに2勝4敗で敗れた。WS進出は“保証”されているということか…。

 今季は昨年52本塁打でブレークしたジャッジに加え、59発を放ったナ・リーグ本塁打王、スタントンらが加入。万全の補強で開幕を迎えたとあって前評判も高い。ゲンのいい雪の地元開幕戦で、09年以来、9年ぶりの世界一へ向け弾みをつけたいところだ。