【ワシントン州シアトル発】マリナーズのイチロー外野手(44)は29日(日本時間30日)、本拠地セーフコ・フィールドでインディアンスとの開幕戦に9番・左翼でスタメン出場する。イチローにとって開幕スタメンはヤンキース時代の2013年以来5年ぶりとなった。

 地元メディアはこの日、開幕投手のフェリックス・ヘルナンデス投手(31)や昨季打点王のネルソン・クルーズ外野手(37)らを脇に追いやり、かつてチームの顔だったレジェンドの帰還をスポーツ面のトップで扱った。

 シアトル・タイムズ紙はスポーツ1面の上段で「イチローが開幕戦でスタメンを獲得」の見出し。中面でも笑顔でキャッチボールをするイチローの写真を掲載して「おそらく満員札止めのスタンドからスタンディングオベーションを受けるだろう」と予想した。

 また別冊のマリナーズ開幕プレビュー・セクションでも「イチローが戻ってきた!」と紹介。「将来の野球殿堂選手はピークを過ぎているが、十分に穴を埋めるられる。ギャメル外野手が故障から復帰したら質のいい代打となる」と評価している。

 米スポーツ専門局ESPNシアトル・ラジオ(電子版)は「イチローにとってはただの開幕戦ではない」と強調。イチローが通訳を通して「夢の一つがかなった」と語った言葉を紹介し、「故障などいろいろとあり楽なキャンプではなかったが開幕ベンチ入りの25人枠に入った。かつてと同じイチローではないが、チームのためにプレーしてくれる」と期待した。

 さらにマリナーズ公式サイトは「イチローはセーフコでの感動的な再会に準備はできている」。インディアンスのフランコナ監督がイチローについての「44歳とは思えない。本塁打はそれほど打たないが、走ることで試合を変えることができる」とのコメントを引用し、「シアトルで絶頂期だった時とは違う選手だが、彼の目標はチームを助けること」とイチローの意気込みを伝えていた。