【カナダ・トロント29日(日本時間30日)発】ヤンキースの田中将大投手(29)が今季初マウンドとなる、30日(同31日)のブルージェイズ戦に向け意気込みを語った。万全だからこそ、言葉は力強かった。オープン戦の好成績と、自身のコンディションに大きなズレを感じて臨んだ昨年とは違う。「シーズン開幕に向けて今までいろいろやってきたんで、問題なくシーズンを迎えられる態勢ではあります。自分の感触にズレもないし、ボール一つひとつの感触、感覚ってものは、去年より間違いなくいいと思います」

 田中は表情を引き締めこうも語った。「(キャンプでの)準備がどうとかもここまで。ここからは、みなさんたちに結果で判断されていく。いくら準備がどうだって言っても、もう意味がないと思っているので、自分のできることをやっていくだけです」

 昨シーズンは序盤から好不調の波が激しく、5月14日から自己ワーストの6連敗でどん底を味わった。このオフ、田中は当時について「その試合で投じる一球にすべての思いをぶつけて、後悔のないように投げられていたかっていうと…。シーズン最後の方に比べると、そういう思いでは投げられてなかった」と本紙に打ち明けていた。

 それだけに今季は「もうシーズンに入ればチームが勝つことが一番なんで。そこに向けて自分の持てるすべての力を出して、その試合に悔いが残らないように一球一球、自分のベストボールを投げていくだけだと思ってます」。強い決意をのぞかせた。

 トロントは田中にとって思い出の地だ。2014年4月4日にメジャー初登板。7回を6安打3失点(自責点2)で初白星を挙げている。「少し思い出したりもしましたけど」としながらも「別に5年目が節目の年なんて思ってないんで」と前を向いた。メジャー5年目が始まる。