【フロリダ州タンパ発】ヤンキース田中将大投手(29)は16日(日本時間17日)、オープン戦3度目となる敵地でのタイガース戦を前に意気込みを語った。ブーン監督は開幕投手の発表について「近いうちにできるだろう」と語っているが、田中は「大事なのはそれじゃないから。自分のやるべきことが大事だから」とキッパリ。あくまでも投球の精度向上に集中する。

 登板前日、軽めのキャッチボールをこなした田中は最後、バッテリー間の距離まで近づくと捕手がスッと腰を下ろした。ノーワインドとセットポジションで19球。過去2回のオープン戦前日ではやらなかった、平地での投球練習だった。

 開幕まで2週間を切り、相手打線も主力が並ぶようになる。この時期から結果を意識した登板へと変えていく投手も少なくないが、田中は「開幕が刻一刻と近づいてくる中で、そういう(主力)メンバーを相手に投げられるのはいいんじゃないかなと思いますけども、前回の反省点も踏まえた投球をすることができればいい」と淡々と語った。

 理由は明快だ。「(この時期)どう打たれようが、相手にはシーズン中の緊張感はないわけだし。(仮に)明日打たれたとしても、シーズン中に同じように投げて抑えられるかもしれない。なぜなら彼らの緊張感が違うし、ミーティングも違う。真剣度が違うからそれだけで変わるし…だから、とにかく自分のことです」。大事なのは相手ではなく、自分のテーマを見失わないこと。

 今回は遠征とあって、正捕手のサンチェスとはバッテリーを組まない予定。それだけに田中はこう話す。

「ある程度、ゲーム前に(配球などを)打ち合わせることは可能だと思いますけど、その辺は要所要所で『ここはこのボールを投げようかな』という意思は、首を振って伝えようかなとは思ってます」

 4年連続の開幕投手に向け、背番号19は自然体だ。