巨人の宮崎春季キャンプで臨時コーチを務めているOBの松井秀喜氏(43=ヤンキースGM特別アドバイザー)が、第2クール2日目の7日も精力的に動いた。特にプロ4年目の岡本和真内野手(21)には合流初日の前日に引き続き、再び熱心にマンツーマン指導。今年から新たに背番号25を背負う期待の若武者には一刻も早い才能開花とともに、プロ野球・真夏の祭典での再会を願っているという。

 この日の松井氏はキャンプ地入り後、サンマリンスタジアムのグラウンドで高橋由伸監督(42)を相手にキャッチボール。選手とともにウオーミングアップを行い、まずは体をほぐした。その後はグラウンドで野手練習に見入り、木の花ドームのブルペンに移動。ルーキーイヤーの昨季後半にブレークした2年目の畠の投球練習では、新調したばかりのバットを構えて打席に立ち、打者目線から金言を送った。

 夕刻に近づいてからも居残りで特打を行う母校・星陵(石川)の後輩でドラフト4位入団の北村拓己内野手(22=亜大)を打撃指導。そんな中でも、期待の若武者・岡本にはサンマリンスタジアムでのフリー打撃、木の花ドームで行われた居残り特打の計2度にわたって目を配り、最後は身ぶり手ぶりを交えながらゴジラ流アドバイスをすることも忘れなかった。

 合流初日となった前日6日は、岡本へのマンツーマン指導について「ちょっと気になるところがあるので。伝えていきたいですね」とコメントした松井氏。本紙が「2日連続で熱心に岡本を指導していたが“のみ込みが早そうだな”とか、そういったところは感じられたか」と質問すると、ニヤッとしながら「2日だからね。今日2日目よ。みんな東スポみたいに、のみ込み早くないんだよ」とジョーク交じりに答えた。

 岡本への教えは軸足に体重を残して、上体を突っ込ませすぎることなく、できる限り球を長く見極めて手元に呼び込むこと。今キャンプで徹底的に指導するつもりだ。

 若武者のブレークに心血を注ぐ松井氏には、岡本に目標にさせたいことがあるという。今年のオールスター戦に、岡本が出場することだ。

 松井氏は近年、巨人の選手がファン投票で球宴に選ばれる数が少なくなり、目立っていないことを気にかけ、寂しい思いをしていることを周囲に打ち明けている。自身は今年の球宴第1戦(7月13日・京セラドーム)で行われる殿堂入りの表彰式に出席することが内定しているため、巨人ナインの成長した姿を生観戦したいという。それには岡本が開幕早々にレギュラーを奪取し、大暴れする必要があるが…。

 果たして、岡本は偉大なるゴジラの熱い期待に応えることができるか。4年目の今季こそ“未完の大器”のネーミングを返上しなければいけない時だ。