巨人・菅野智之投手(28)が、来季の20勝、さらにメジャー挑戦に向けた“秘策”の存在を明かした。キレのある多彩な変化球と制球力で昨季17勝(5敗)、防御率1・59と絶対エースの存在感を見せたが、あくなき向上心に緩みはない。

 菅野は昨年12月「報知プロスポーツ大賞」の表彰式後「絶対的な力をつけて文句なく行けるように」と、メジャー挑戦への思いを明かした。

 海外FA権取得での移籍となれば最短で2022年シーズンからになるが、まずは今季、目標とする200イニング、20勝を挙げ、4年ぶりのリーグ優勝に貢献するつもりでいる。

 菅野にはひそかに温めている“秘策”があるという。それは現在、三塁側いっぱいに足を置いている「プレートの位置」だ。今はスライダーの曲がりをより効果的にするべく三塁側に置いているが、逆の一塁側に置くプランもあるという。

 菅野は「そこ(一塁側)が、自分の『伸びしろ』としてある部分ですよね。やっぱりプレートの位置を変えるというのは相当勇気要りますからね。もう(マウンドからの)景色が全然違う。だからそこは唯一、自分のなかでダメだったときに、そこにいってみようかなというのはありますね。自分の『引き出し』の中にはあります」。現段階では危機管理に備えた“オプションの一つ”として考えているとした。

 右投手がプレートの一塁側を踏むのは、日本ではほとんど見られない。しかしツーシームなど、直球でも微妙にボールを動かし、バットの芯を外す球種が有効なメジャーでは当たり前のスタイルだ。ヤンキース・田中もメジャー移籍後、プレートの位置を変更。配球自体も大きく変わった。

 菅野も将来的にオプションではなく、投球スタイルそのものを変えることも考えているのか。すると「ありますね。全然考えられます」と即答し、こう続けた。

「それは別に、すぐではないですよ。でも、さらなる高みを目指したときにね、同じスタイルじゃずっと野球ができるとは思っていないから、今のスタイルがどんどん成熟していって、そこに落ち着くっていうのは十分考えられると思いますよ」。菅野が語る「さらなる高み」について具体的な言及はなかったが、それを“メジャー”と捉えるのは、自然の流れだろう。

 菅野はさらなる高みを目指すべく、変化を恐れず進んでいく。