大谷にフラれた球団から戸惑いと落胆の声

2017年12月12日 11時00分

真っ赤なユニホームを披露した大谷(ロイター=USA TODAY Sports)

 大谷翔平投手(23)のエンゼルス移籍が決定。フラれた球団からは、戸惑いとともに落胆の声が相次いだ。エンゼルスを選んだ理由について、大谷は「ミーティングを行って本当に何かエンゼルスと縁みたいなものを感じた。感覚的なもの」と語ったことで、花巻東時代からマークしていた球団にとっては8年間が無駄に終わったからだ。

 複数の有力球団は「日本人は金銭だけでは動かない。何より大事なのは人脈。大谷に影響力のある人物を押さえろ!」と日本式の根回しを実践。球団幹部が幾度となく来日し、大谷の恩師である花巻東・佐々木洋監督の元にも足を運んでいた。

 最終選考で敗れた6球団が無警戒だったのは、エンゼルスが大谷シフトを敷いたのはここ2~3年のことで、根回しとは無縁だったからだ。

 最後まで本命視されていたマリナーズは日本ハム・木田GM補佐がかつて在籍しパイプがあったうえに、マイナー3選手を放出して25歳未満のドラフト対象外の外国人選手に使える契約金の限度額を355万7000ドル(約4億400万円)まで引き上げていた。

 また、パドレスは人脈という点では最も強力だった。2008年から日本ハムと業務提携。花巻東時代に獲得寸前までいったドジャースの元フロント、ローガン・ホワイトGM補佐、エーシー興梠アジア部長を15年に移籍させた。さらに大谷の体を知る前日本ハムトレーニングコーチの中垣征一郎氏を今季からスポーツ医学ディレクターとして2年契約で受け入れ、フロントには野茂英雄氏、斎藤隆氏を配置していた。

 それだけに米球界から「なぜ、エンゼルスなのか?」と疑問が湧くのも当然だろう。落選球団の地元メディアやファンからは早くも逆恨みともいえるブーイングが巻き起こっている。中でも書類選考で落ちたヤンキースやレッドソックスはファンが過激で知られる。「同じア・リーグの球団に行ったことで、ファンの怒りは増大。ニューヨークメディアが『チキン(臆病者)』と評したこともあり、ニューヨークやボストンに遠征に来た時に過激なヤジの洗礼を浴びるのは必至でしょう」(米球界関係者)

 そんな大ブーイングを大谷はプレーで黙らせるしかない。