【マサチューセッツ州ボストン7日(日本時間8日)発】ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す日本ハムの大谷翔平投手(23)は“2次選考”に残った7球団との交渉を終えた。全米が決断を見守る中、米スポーツサイト、ファンラグ・スポーツのジョン・ヘイマン記者は自身のツイッターで「大谷は来週早々に決断するのでは」とつぶやいた。

 一方、争奪戦はさらに激化。マリナーズとエンゼルスは6日(同7日)にそれぞれツインズとのトレードで25歳未満のドラフト対象外の外国人選手に使える契約金の額をともに100万ドル(約1億1300万円)増やした。パドレスの地元紙サンディエゴ・ユニオン・トリビューン(電子版)は5日(同6日)の交渉にパドレスでアドバイザーを務める野茂英雄氏(49)らが同席したようだと伝えた。

 そんな中、米大リーグ公式サイトはこの日、二刀流のオールスターチームと称して現役メジャーリーガーの過去の実績を紹介している。ジャイアンツのバスター・ポージー捕手はメジャーを代表する捕手で屈指の強肩として知られているが、フロリダ州立大学時代は守護神としても鳴らしていた。しかし、捕手として1巡目指名候補に挙がってからはコーチ陣が登板させなかったという。

 レッドソックスからFAになっているミッチ・モアランド内野手はミシシッピ州立大学時代の2005年から07年にかけて、打率3割6分3厘、10本塁打をマーク。救援投手として16試合に登板し、3勝0敗、防御率3・20、19回2/3で28三振を奪った。レンジャーズ時代の14年に続き、今季は8月25日のオリオールズ戦に登板。最速は145キロだった。

 パイレーツのジョーディ・マーサー内野手もオクラホマ州立大学時代にはクローザーとの二刀流で活躍。ヤンキースのアーロン・ヒックス外野手は高校時代に156キロをマークする剛腕だった。昨年4月20日のアスレチックス戦で外野からの返球で過去最速の170キロを記録している。エンゼルスのアンドレルトン・シモンズ内野手は西オクラホマ州立大学時代の10年、10回で17奪三振、防御率0・90をマークし、ストレートのMAXは158キロだったという。

 他にもロッキーズのチャーリー・ブラックマン外野手、ナショナルズのショーン・ドゥーリトル投手、今季の開幕戦、4月2日のダイヤモンドバックス戦で投手では史上初の2本塁打を記録したジャイアンツのマディソン・バムガーナー投手、ブルージェイズのマーカス・ストローマン投手も紹介している。うち、3人(ジャイアンツ2人、エンゼルス1人)が大谷が面談した球団の所属というのは偶然か。

 1919年のベーブ・ルースを最後に近代メジャーでは成功例のない二刀流。大谷の登場で再びスポットライトが当たった。果たして実現できるか。米国ではプロ入り直前まで二刀流だったケースは日本より格段に多い。ファン以上に現役メジャーリーガーたちも注目しているかもしれない。