【カリフォルニア州ロサンゼルス4日(日本時間5日)発】ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す日本ハムの大谷翔平投手(23)が各球団に求めたプレゼン文書を審査した結果、移籍候補7球団に絞った。最有力と目されたヤンキースはあえなく落選。その波紋は全米に広がっている。一方、米メディアはマリナーズ、ジャイアンツ、パドレスが本命と伝えた。なぜ、ピンストライプの名門球団は落選したのか。

 大谷側は3日(同4日)、プレゼン文書を提出したメジャー各球団に合否を通知した。全米が注目する中、ニューヨーク・ポスト紙のジョエル・シャーマン記者、米スポーツサイト、ファンラグ・スポーツのジョン・ヘイマン記者らがヤンキースの落選をツイッターで速報すると衝撃が広がった。米大リーグ(MLB)公式サイトをはじめ、多くのメディアがヤンキースを最有力と報じていたからだ。

 大谷獲得を期待していたニューヨークの地元紙は落胆とともに決断に反発。ニューヨーク・デーリー・ニューズ紙は4日発行の1面で「なんてチキン(弱虫)なんだ!」とカラー写真とともに大きく報じた。「ステージ恐怖症‥ヤンキースという大舞台でプレーするのが怖いのだろう」と切り捨てた。ヤンキースのキャッシュマンGMは「西海岸、小さなマーケットの球団を見据えているようだ」と悔しさをにじませたという。

 大谷及び代理人のネズ・バレロ氏は合否に関するコメントはしていない。ヤンキースの注目度は間違いなく全米一で、ニューヨークメディアは超辛口だ。大谷はメジャーに移籍するだけではない。ベーブ・ルース以来となる二刀流に挑戦するのだ。これまでの日本人選手以上に適応に苦労するはず。成功すれば見返りは大きいが、結果を出せなければ、厳しいバッシングにさらされる。時には“対立”関係になることもある。野球に集中するためにそのリスクを回避したのだろう。また、プレゼン文書で起用法などに不安を持った可能性もある。

 MLB公式サイトなどによると面談に臨むのはカブス、マリナーズ、ジャイアンツ、ドジャース、エンゼルス、パドレス、レンジャーズの7球団。各球団の地元紙は期待をあおっている。サンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙(電子版)は「パドレスが大谷の本命なんじゃないか」と期待を寄せる。NBCシカゴ(電子版)は「名高い大谷翔平と契約を夢見ているカブスファンの皆さん、まだ希望を捨てなくていいそうだ」と歓迎。ダラス・モーニング・ニューズ紙(電子版)は「(候補に残ったことは)すごく大きい」とした。面談は5日(同6日)までにロサンゼルスで始まる。どうなるか。