【26日ドラフト異色の隠し玉(3)】元プロから学ぶ大学生独立リーガー・田中耀飛外野手

2017年10月22日 11時03分

パワフルな打撃が魅力の田中

 26日に迫ったプロ野球ドラフト会議に向け、各球団とも早実・清宮幸太郎内野手(3年)をはじめとした指名候補のリストアップが大詰めを迎えている。今年もアッと驚く“隠し玉指名”はあるのか。日本学生野球協会に属さない高校生、大学生独立リーガー、さらには軟式の逸材と、指名の可能性がある“変わり種”3選手を緊急取材した。

【田中耀飛(あきと)外野手】

 巨人三軍との練習試合で2打席連続、楽天二軍との練習試合でも2試合連続の本塁打を放った21歳のスラッガー、田中耀飛。学生でありながら兵庫ブルーサンダーズに所属し、ベースボールファーストリーグでは今季、首位打者、本塁打王の打撃2冠に輝いたが、もともとは特別な選手ではなかった。「高校時代は有名大に進学できるような実力は全くなくて。負けず嫌いな性格なので、それがすごく悔しかった。そんなとき、元プロから直接指導が受けられる大学があると知って。即決でした」

 東京六大学野球、東都大学野球といったエリートコースへ進むライバルたちに反骨心を抱いた田中は、在学しながら独立リーグで元プロの指導を受けられる独自のシステムに興味を抱き、芦屋大学に進学。提携する兵庫ブルーサンダーズで“大学生独立リーガー”として、現阪神一軍打撃コーチの片岡篤史らの指導を受け、打撃技術を開花させた。

 設備の整った有名私大と比べると、恵まれているとは言えない独立リーグの環境で、田中は独学で肉体改造に着手。時にはレンジャーズ・ダルビッシュ有にツイッターのリプライ機能で質問を送るなど、アグレッシブに情報を集め、ライバルに負けない体をつくり上げた。ダルのみならず、昨年からは元ヤンキースの井川慶がチームメートとして入団。メジャー仕込みのトレーニング法や考え方を直接教わった。「地元が大阪なので、井川さんは自分のなかでのスター。サインはまだもらえてませんが、本当に気軽にいろいろと教えてくれます。ダルビッシュさんもすごく好きな選手で、いつか“ダル塾”に入れてもらうのが目標」という。

「独立の環境はみんながプロを目指しているぶん、ハングリー精神がすごい。10歳上の選手が、必死になってプロを目指す姿を間近で見てますから。だからこそ六大学とかの野球エリートには負けたくないんです」。“大学生独立リーガー”は、熱い思いを胸に秘め、運命の日を待つ。

【プロフィル】たなか・あきと 1996年3月5日生まれ、大阪市出身。小学2年のとき、長曽根ストロングスで外野手として野球を始める。中学では浜寺ボーイズに所属。英明高に進学後、1年秋からレギュラー、2年秋に県大会優勝、四国大会8強。高校通算18本塁打。高校卒業後は芦屋大に進学し、同校が提携する兵庫ブルーサンダーズに所属。4年目の今季はベースボールファーストリーグにおいて打率4割2分2厘、15本塁打で2冠王に輝いた。181センチ、95キロ。右投げ右打ち。