【テキサス州ヒューストン12日(日本時間13日)発】ヤンキースは11日(同12日)に敵地で行われたインディアンスとの地区シリーズ第5戦に5―2で勝利し、5年ぶりの突破を決めた。グリゴリアスの2打席連発でリード、先発左腕サバシアは5回途中2失点で降板するも、ロバートソン―チャプマンが無失点リレー。9回に2点を追加して逃げ切った。

 第5戦でヤンキース投手陣は“総動員態勢”となり、第3戦に先発した田中将大投手(28)も、スクランブル登板に備えブルペンで待機した。右中間最深部にあるブルペンにはモニターもなく「外野のファンの方々と目線が同じなんで。よくわからなかった」(田中)そうだが、試合終了を確認するやマウンドへ駆け寄り、歓喜の輪に加わった。

 試合後、シャンパンファイトではターゲットになった。次々とナインが忍び寄り、瞬く間に泡まみれとなった。1995年に導入された地区シリーズで2連敗スタートはヤンキースが53チーム目で、3連勝で突破したのは7球団目の快挙。ナインが盛り上がるのは当然だ。シャンパンで目を赤くしながら報道陣に対応した田中は「これまでと違って、自分が少なくとも貢献できたんで、そういう点では一番うれしいです」。喜びもひとしおの様子だった。

 田中は崖っ縁の第3戦に先発すると7回を3安打無失点、7三振を奪って勝利に導いた。この熱投が反攻の起点になったのは間違いない。「それはわかんないです。周りの人が判断してください。仮に自分でそれ言ったらダサいっしょ。『僕の投球で流れ変えましたよ』って」と笑いで返した背番号19。ナインとともに勝利の美酒に酔った。