ア地区シリーズ運命の第3戦先発 ヤンキース田中の悲壮決意

2017年10月08日 16時30分

【ニューヨーク7日(日本時間8日)発】ヤンキース・田中将大投手(28)がチームの命運がかかった翌日のア・リーグ地区シリーズ第3戦に先発する。前日の第2戦は5点をひっくり返されてサヨナラ負け。通算0勝2敗でインディアンスに王手をかけられた。ジラルディ監督の采配を巡ってチーム内外がザワつくなどムードは最悪の状況で、田中は「自分を信じて投げていくだけ。結果的にそういう流れ、雰囲気を変えられたら」と快投を誓った。

 幸か不幸か、のるかそるかの大一番で田中に出番が回ってきた。5回戦制の地区シリーズで、いきなり2連敗。この日、数人のスタッフとともにグラウンド上で登板前日のルーティンをこなした田中は「一番は自分のいいボールを数多く投げること。プレッシャーはもちろんあるが、だからといって自分のやるべきことから外れてはいけない。しっかりと自分のやることにフォーカスして投球したい」と背水のマウンドへの意気込みを語った。

 自分のいいボールを数多く――イメージするのはメジャー自己最多となる15三振を奪ったレギュラーシーズン最終登板の投球だ。その際の田中は「ボールの動きがいいから積極的に攻めた」ではなく、動きがいいときの積極性、攻めの投球を調子に関係なく「あえて」前面に出した結果、ボールの動きが良くなったという“逆転現象”を自覚していた。

 今季はメジャー移籍後4年連続の2桁勝利を挙げたとはいえ13勝12敗と苦しんだが、ここまでくれば大事なのはハート。田中は「もちろん気持ちの部分ではアグレッシブにいかないといけないし、そういう姿勢が大事」と表情を引き締めた。

 チームの雰囲気も決して良くない。0勝1敗で迎えた第2戦では、8―3の6回二死二、三塁の場面でファウルにも見えた相手打者の死球に、ジラルディ監督はビデオ判定を要求せずスルー。直後に追撃の満塁弾を浴びた。これで相手を勢いづかせ、延長13回にサヨナラ負けしたことで、地元メディアが紙上やSNS上で猛バッシングを展開した。

 さらにミソをつけたのが守護神チャプマンの「SNS騒動」だ。指揮官を叱責した他人のアカウントに「いいね」を入れていたことが発覚。本人によるものかどうかは不明だが、この“監督批判疑惑”が、さらにややこしい状況を生んでしまっている。

 田中の会見でも“ビデオ判定スルー問題”に関する質問が飛んだ。「すべては結果論でしか言うことができない。そういうものも含めて野球だと思うから」と冷静に答えたが、チームのムードについては「ああいうゲームを落としたわけですから、絶対落ち込むのが当然」との認識を示した。

 ただ、悪夢の第2戦から移動日を挟んだことで心身ともにリフレッシュする時間ができた。「もちろん後がない状況。自分がそういう流れ、雰囲気を変えられたら」。追い込まれるほど力を発揮する田中が大一番で真価を見せつける。