【オハイオ州クリーブランド4日(日本時間5日)発】ツインズとのワイルドカード(WC)ゲームに勝利したヤンキースは、インディアンスとの地区シリーズに臨むべく、この日の午後に敵地クリーブランド入り。午後7時30分から練習を行った。

 前日は初回に3点を奪われるも、一発攻勢で劇的な逆転勝ちし、5年ぶりに地区シリーズに進んだ。試合後はシャンパンファイトで盛り上がった。そんな勢いに乗るチームで心配されているのが先発した“エース”ルイス・セベリーノ投手(23)。先頭打者弾を浴びるなど2本塁打を含む4安打3失点で一死しか取れずに29球で降板した。

 ベンチに戻る際には、本拠地のファンから容赦ないブーイングを浴びせられた。ベンチで観戦していた田中将大投手(28)も「先発の難しさを改めて見た気がします」と大舞台に臨む難しさをしみじみ語っていた。一夜明けたこの日、辛口のニューヨーク地元各紙は同情的な論調だった。

 ニューヨーク・ポスト(電子版)は「セベリーノが先発ローテーションの問題を引き起こした」と見出しは厳しいが、「ヤンキースは今回のセベリーノの投球は自身初のポストシーズンだったから、という希望的観測を抱いている。いかなる状況になっても、ヤンキースは彼を必要とするだろう」と、セベリーノ中心のローテーションに変わりはないとした。

 ニューズ・デー(電子版)は、登板前日のセベリーノのコメントを引用し「ここまですべてが良かった。第1球を投げるまでは」と皮肉りながらも、試合の模様や記録を淡々と報じた。

 デーリー・ニューズ(電子版)は試合後にセベリーノが「次の準備はできているし、二度とこういう投球はしない。チームや監督が自分を信用してくれていることは十分わかっている」と雪辱を誓ったコメントを引用し、次回登板に期待を寄せている。

 田中にとってはメジャー4年目で初の地区シリーズ。注目の登板日だが、ジラルディ監督はこの日の練習後、「田中は3戦目」と明言した。8日(同9日)に本拠地ヤンキー・スタジアムでの3戦目に決まった。当初は5日(同同6日)から敵地で行われる1、2戦での先発が有力視されていたが、今季の田中は敵地では4勝7敗、防御率6・48。一方、本拠地で9勝5敗、防御率3・22と安定しており、その点を重視したようだ。どこで投げるにしろ、自分の仕事をするだけだ。