日本人選手がメジャーに持ちこんだモノ「お辞儀」「ハイチュウ」「目薬」

2017年10月09日 16時30分

お辞儀ポーズを広めたのは大魔神・佐々木(左)
足で稼いで20年 外国人選手こぼれ話 広瀬真徳

 1995年に野茂英雄がメジャーに挑んでからはや20年以上がたつ。この間、メジャーでは数多くの日本人選手が活躍したこともあり、日本文化がいつの間にか外国人選手の間で根付いていることがある。

 例えば「お辞儀」。これを広めたのは「大魔神」こと佐々木主浩氏だろう。2000年からマリナーズの守護神として君臨した際、勝利後のマウンドでチームメートに両手を合わせ一礼する「お辞儀ポーズ」が恒例になった。これを他球団選手らが面白おかしくまねをし、お辞儀文化が定着した。今では、日本に来る助っ人が初対面の時から頭を下げる光景も珍しくない。

 ベンチで口にする食べ物にも日本人選手が大きく寄与したものがある。「ハイチュウ」がその一つだ。

 一部メディアではドジャース、ヤンキースで活躍した黒田博樹氏がはやらせたといわれる。だが、私が07年にレッドソックス時代の松坂大輔を取材していたころから「ハイチュウ」はその名が知られていた。

 当時、松坂の元には様々な日本企業からの「差し入れ」が届いていた。その一つがハイチュウだったという記憶がある。レッドソックスの選手らが「濃厚な味に加え、ガムのようにかんで最後はのみ込めるんだ」と奇妙な目で日本製キャンディーを口にしていた時代が懐かしい。それから時を経て田沢純一(現マーリンズ)や黒田氏を経由し、ハイチュウはリーグ全体に浸透した。今ではベンチやロッカーの“お供”に成長したのだから歴史を感じてしまう。

「目薬」も同様だ。昨今のメジャーでは目薬をさす選手はごく普通に見られる。このきっかけを作ったのは現オリックス・田口壮二軍監督の影響が大きい。

 田口氏がカージナルス在籍時に日本製の目薬を同僚に紹介したところ、愛好家が続出。「サンテFXシリーズ」やロート社製の爽快感の強い目薬が人気を呼び、瞬く間にメジャー選手に広まった。あまりの人気ぶりに田口氏の元には、目薬を求める選手が相次いだ時期もあったほど。私自身、田口氏の取材に行くたびに「目薬あったら持ってきてな」と頼まれたことを思い出す。

 10年前に比べ日本人メジャー選手は減少傾向が続いているが、日本人が残す「足跡」は着実に増え続けている。今後はどんな日本の逸品がメジャーを席巻するのだろうか。

 ☆ひろせ・まさのり 1973年愛知県名古屋市生まれ。大学在学中からスポーツ紙通信員として英国でサッカー・プレミアリーグ、格闘技を取材。卒業後、夕刊紙、一般紙記者として2001年から07年まで米国に在住。メジャーリーグを中心に、ゴルフ、格闘技、オリンピックを取材。08年に帰国後は主にプロ野球取材に従事。17年からフリーライターとして活動。