【ニューヨーク28日(日本時間29日)発】ヤンキースの田中将大投手(28)が前日のマリナーズ戦に先発し、7回を6安打1失点10三振の好投で今季10勝目(10敗)を挙げた。メジャー通算100試合目の節目の登板で日本人投手としては初の4年連続2桁勝利をマーク。また、100試合目で600奪三振は球団最多だ。一夜明け、右腕はノースローで軽めの調整で終えた。ニューヨークの地元メディアは初回、一死から3連打されて1点を失い、なおも二、三塁とピンチが続く中、追加点を許さなかった粘りの投球を評価した。

 デーリー・ニューズ紙は田中がファンの歓声に笑顔で応える写真を最終面に掲載。マリナーズが初回に犯した5失策をやゆして「田中とヤンクスはマリナーズの失策をダシに笑う」とキャプションをつけた。スター・オブ・ザ・ゲームには4安打を放ったカストロ内野手を選出したが、田中の粘投を試合のターニング・ポイントとした。

 ニューヨーク・ポスト紙は「田中は希望を持たせる理由を示した」との見出しで「田中はまたも印象的だった」とたたえた。そして「右肩の炎症から復帰して14イニングで4失点はまずまず。大事なところで三振を奪えた」と好意的だった。

 またニューズデー紙も「危うい初回も終わってみれば好投だった」と伝え、「プレーオフ出場へ向けてヤンキースが求めていたことを田中は実行した」と歓迎した。ニューヨーク・タイムズ紙は3回途中で退場させられたジラルディ監督の「田中の球はどれも素晴らしかったと思う。ほとんどテレビで見ていたがね」とのコメントを紹介し、「田中は故障者リストから復帰して2度の登板で連勝した」と報じた。

 11勝目、メジャー通算50勝目を目指す次回登板は、9月1日(同2日)のレッドソックス戦の予定だ。