阪神新助っ人のジェイソン・ロジャース内野手(29)がチームをけん引している。7月1日に獲得が発表され、同18日に一軍に昇格すると、17試合で打率3割1分6厘、3本塁打、13打点(7日現在)と上々の仕事ぶり。愛くるしいルックスから人気も急上昇中だが、それだけではない。同僚ナイン、スタッフから「このまま来年もいてほしい」と異例の早さで“残留”を熱望されている。

 愛称「パンダ」のロジャースは7日、自身初対決となる巨人戦のため、東京に移動した。「あまり先を見ずに一試合、一試合に集中していきたい。巨人は日本のヤンキース? 雰囲気を感じたい。試合が楽しみです」。本塁打の出やすい東京ドームについても「(打撃スタイルを)変える必要はない。ホームランを狙うわけじゃないから今の感じを続けていきたい」と話した。

 今や虎の新4番に君臨するロジャースはナインから異例の早さで“残留”を要請されている。「勝負強い打撃で援護してくれるので頼りになる。でもそれだけでなく、一塁の守備も一生懸命やってくれて投手を助けようとしてくれるのがいい。守備でのそういう気持ちもありがたいんです。来年もいてくれれば心強いです」(ある若手投手)。チーム関係者も「日本の投手の変化球にもすぐに対応できて、今のところ弱点らしい弱点もない。それどころか研究熱心で頭脳派だから、ひと通りデータが集まる2年目はより打つ可能性は高い。来年も絶対残すべきでしょう」とホレ込んでいる。

 今オフ、阪神は国内FA権取得見込みの日本ハム・中田や、プロ志望届を出した場合の早実・清宮の動向を精査して一塁手の補強に乗り出す構え。現時点でフロント幹部は「ロジャースの来季以降の話はまだ先。どれだけできるかにかかっている」と話すが、チーム内の「パンダ残留」の声も見逃せない。金本監督も「ボール球を振らないし、学習能力がある。そこはうちのバッターも見習ってほしい」と褒めちぎるロジャースの去就に注目だ。