【ニューヨーク4日(日本時間5日)発】ヤンキースの田中将大投手(28)は3日(同4日)に本拠地ヤンキー・スタジアムで行われたブルージェイズ戦に先発し、7回を5安打1失点で7勝目(7敗)を挙げた。

 6回を除いて走者を背負ったが粘りの投球で切り抜けた。初回は先頭バティスタに左前打されたが、一死後、3番スモークを三ゴロ併殺打に仕留めて無失点。4回は先頭スモークに左翼フェンスを直撃する二塁打されたが4番モラレスを3球三振、5番ピアースを三ゴロ、6番カレラを空振り三振。7回一死後、死球と失策が絡んで1点を失い、なおも二死二塁とされたが、9番メーリの放った中堅に抜けようかという痛烈なゴロを好捕して断ち切った。

 一夜明けたこの日、地元ニューヨークのメディアは3試合連続でクオリティースタート(QS=6回以上を投げ、自責点3以下)を記録した右腕の復調を大歓迎した。ニューヨーク・ポスト紙は「月曜午後のスポットライトはオールスター戦と本塁打競争に出場するジャッジとサンチェスに当たったが、田中はなぜヤンキースが彼を必要としていることを思い出させた」と称賛。

 ニューズ・デー紙は「田中はシャープ」と題し、「田中はまだまだタンクに燃料を残していることを証明。3試合連続で田中はシーズン中の真の状態だった」と伝えた。デーリー・ニューズ紙は「スター・オブ・ザ・ゲーム」に右腕を選出し、「変化球の切れが良く、速球の制球が改善され、望みを与える登板を見せた」と評した。

 NJ.comは「なぜ田中が突然再びエースのように投げているのか」のタイトルで、速球の球速と変化球の切れ、制球を取り戻したことを解説。米スポーツ専門局ESPN(電子版)は「オールスター戦を前にしてヤンキース躍進への大きな進展は、田中が好調な状態に戻ったことだ」と報じた。

 速球の最速154キロは7回に記録。スライダー、スプリット、カーブは低めに決まっていた。3試合連続QSを達成し、3戦連続で被弾しなかった。安定感を取り戻した田中。完全復活したといっていいだろう。