【ニューヨーク20日(日本時間21日)発】ヤンキースの田中将大投手(28)は、次回登板が有力な23日(同24日)のレンジャーズ戦に備えてブルペンに入り調整した。ノーワインドアップで17球、セットポジションで9球、再びノーワインドアップに戻って7球、全球種を交え計33球投げ込んだ。

 投球板の真ん中からやや一塁側を踏んでの投球。いつものようにロスチャイルド投手コーチが左右の打席に入り、ボールの軌道を入念にチェックする。左打者の外角ボールゾーンからストライクに入ってくるバックドアのスライダーや、内角をえぐるカットボールの制球を重視しているように見えた。

 投球を終えた後は、強い日差しの下で本拠地ヤンキー・スタジアムの内野席の階段駆け上り。1段ずつ細かいステップで一気に上ると、ヒザを上げながらゆっくり上がるを交互に繰り返し、合計10本をこなしてたっぷりと汗を流した。

 田中はブルペン投球後は報道陣に応対しないのだが、この日は特別。前日に今季限りでの現役引退を発表した球界の大先輩、ロッテの井口資仁内野手(42)への思いを語った。実は井口とは因縁がある。2013年7月26日に井口の日米通算2000安打目となる本塁打を打たれたのが当時、楽天のエース・田中だった。1―1の6回に左中間へ勝ち越しソロを被弾。楽天は1点を追う9回裏に押し出し四球で同点とすると、嶋の中前打でサヨナラ勝ちした。

 完投した田中の開幕からの連勝は14に伸びたが、日本記録の開幕24連勝を達成する中で最大のピンチだったといえるだろう。

 右腕は「特徴ある打者なのでいろいろなことを警戒しながら投げました」と振り返ると、「ワールドシリーズのチャンピオンをセカンドとして経験されている。野球選手としてもちろんリスペクトしています」と敬意を表した。