【カナダ・トロント2日(日本時間3日)発】ヤンキースのジョー・ジラルディ監督が前日にラジオのトーク番組に出演し、田中将大投手(28)のスランプに関して、原因が故障ではないと改めて強調した。ヤ軍の試合を中継するニューヨークのラジオ局WFANの番組でチームの現状を聞かれた際にエースの健康状態を疑問視する質問を受け「なぜMRI(磁気共鳴画像装置)を撮らないのかよく聞かれるが、私は逆に『なぜ?』と返す。スランプだからといってすべての選手にMRI検査はしないもの」と述べた。

 田中は4月27日(同28日)のレッドソックス戦で完封勝利を挙げ、5月26日(同27日)のアスレチックス戦では自己最多の13奪三振を記録した。監督は「もし故障箇所があれば、このような投球ができたことをどう説明するのか」と強調した。

 ジラルディ監督は2015年にア・リーグのサイ・ヤング賞を獲得した翌年に不振を極めたアストロズのダラス・カイケル投手(29)や、ヤ軍前監督のジョー・トーリ氏が語った「ある年に3割6分打って、次の年に2割6分。でも自分は同じなんだ」との言葉を引き合いに「前例のないことではない」と故障説を否定。「制球やキレが不安定」との見解を重ねて示した。

 田中は昨季14勝4敗、防御率3・07でサイ・ヤング賞候補になったが、今季は5勝5敗、防御率6・34。カイケルは15年に20勝8敗、防御率2・48ながら、昨年は9勝12敗、防御率4・55。しかし今年は1日(同2日)までメジャー・トップの8勝を挙げ、防御率は同2位の1・81と完全復活している。