【カナダ・トロント1日(日本時間2日)発】ヤンキースの田中将大投手(28)は前日のオリオールズ戦に先発して5回2/3を9安打7失点で5敗目(5勝)を喫した。楽天時代を含め4連敗は自己ワーストだ。田中は「ファーストストライクがなかなか取れずに、丁寧というよりは自分が不安定だった。何とか立て直したいと思って投げたが、制球ミスがボールにならずにストライクゾーンの真ん中に入ってしまった」とうつむいた。日本人投手8人目のメジャー通算500奪三振も喜べない。

 2回までは走者を出しながらも粘って得点を許さなかったが、3回につかまった。一死後、連打を浴びると2番ジョーンズに左中間フェンス直撃の適時二塁打。二死後、4番トランボに右翼手の頭を越える2点二塁打を浴びた。4回は二死後、二塁打と四球で走者をためるとジョーンズに3ラン。いずれも初球の甘いボールだった。

 一夜明けニューヨークの地元メディアは炎上したエースを辛辣に報じた。ニューヨーク・ポスト紙(電子版)は「田中の問題は終わっていない」と見出しをつけ、「今や先発5番手投手と見るべきだ」と酷評した。デーリー・ニューズ紙(電子版)は「田中の苦境は続く」とのタイトルで、「彼の成功は短期間だけで危機が戻った」と伝えた。

 また、ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は、「ヤンキースを最も困惑させているのは田中のパフォーマンスだ」。ニューズデー紙(電子版)は、「田中の無残な投球とのミス・プレーがヤンキースに損失を与えた」と辛口だ。

 さらに米スポーツ専門局ESPN(電子版)は「かつてのエースである田中は現在非常にひどい投手だ」とし、「現時点でヤンキースが持っているベスト・アンサーは、たぶん今季は田中の年じゃないということだ」とあきらめの論調だ。復活できるのか。