【メリーランド州ボルティモア29日(日本時間30日)発】ヤンキースの田中将大投手(28)は次回登板予定の31日(同6月1日)のオリオールズ戦に備えブルペン入りした。ノーワインドアップで16球、セットポジションで14球、全球種にわたり合計30球をていねいに投げ込んだ。

 前回の登板で負け投手になったものの、田中は7回1/3を1失点、メジャー自己最多の奪三振という内容に復調の手応えを感じていた。この日のブルペンでは切れの戻ってきたスプリットを、ノーワインドアップ、セットともに5球連続で投げて腕の振りなどを入念にチェックした。両打席に交互に立って投球を見守ったロスチャイルド投手コーチは、スプリットだけでなくツーシームやカットボールなどにもうなずき、「オールライト」「グッド」と声を掛けていた。

 そんな中、田中が今季終了後にヤンキースとの契約を破棄できるオプトアウトの権利を行使するかどうか話題になっている。選手の去就に関する情報を中心に報じるサイト「MLBトレード・ルーモアズ」は、今季終了後にオプトアウトの権利を持つジャイアンツの右腕クエトやマーリンズの左腕チェンらとともに田中の動向を予想した。

「今の成績では田中自身の制御が一歩後退した」と田中が残り3年の総額6700万ドル(約74億5000万円)の契約を維持するだろうと予測。「打たれた飛球に対する本塁打率が急上昇している」とマイナス点を指摘し、これを克服できなければ現契約を破棄してFAになったとしてもさらに好条件の契約を勝ち取るのは難しいと見ている。

 もっとも現在3連敗中の田中にオフの契約問題を考える余裕はないだろう。まずは完全復調だ。