【ペンシルベニア州ピッツバーグ発】ヤンキースの田中将大投手(28)は23日(日本時間24日)、軽めの調整だった。グラウンドではストレッチの後、キャッチボールのみ。次回登板は26日(同27日)に敵地で行われるレッドソックス戦の予定だ。昨季でもあまり経験のない中6日だが、登板間隔ごとの調整法はすでに確立している。3勝目へ向け着々だ。

 練習後、パイレーツ戦をベンチから見守った田中だが、敵軍のマウンドに上がっていたのは、かつての“パイセン”だった。昨年途中までチームメートだった2つ年上の右腕ノバだ。

 ノバといえばメジャー移籍して間もない田中に何かと目をかけ、ふざけたり冗談を飛ばすなど気軽に接する一方、一投手としてリスペクト。自身のロッカーには日本語を読みやすく書いた紙を貼り覚えていたほどだった。日本メディアにも「ジャパニーズファミリー」と声をかける陽気な先輩だった。田中とはトレード直前の昨年7月末以来の対面だった。

 前日、ブルペン投球を終えベンチへ向かう田中にあいさつ代わりの強烈なゴロを投げつけたノバはガバッと熱い抱擁を交わした。田中は「久しぶり、みたいな感じなだけっすよ」と振り返っていたが、ノバには気持ちがこもっていた。

 そんな右腕はこの日、古巣相手に7回を4安打1失点、7三振の好投。試合も2―1で勝利し、自身に2勝目(2敗)がついた。敵としてノバの投球を見た田中は「あんまり見てなかったっす」と言いながらも「前回の登板では完投してたんですよね。いいピッチングでしたよね」。

 かつての同僚同士の対面は移籍が活発なメジャーでは当たり前の光景だが、ヤンキース移籍後、初めて絡んだ先輩だけに、違った思いもあったはず。次は田中が快投を披露する番だ。