【WBC侍ジャパンドキュメント2017(3月16日)】侍ジャパンが16日、午後7時45分発のチャーター機で羽田空港から合宿地の米国・フェニックスへ向けて飛び立った。

 出発前、宿舎で取材に応じた小久保監督は「準決勝に出てくる国は顔と名前が一致するバリバリのメジャーリーガーばかり。メジャーとの2試合(カブス、ドジャース)を有効に使いたい。中継ぎ投手はそのどちらかで全員投げてもらう」と準決勝(日本時間22日、ロサンゼルス)に向けた準備プランを明かした。

 2015年11月の「プレミア12」を取材した日本ハム担当記者の伊藤とDeNA担当記者の坂庭は「ここまでは2年前とまったく一緒だな」と全勝で決勝トーナメントに進んだ同大会を思い出していた。ただ、確実に違うのは指揮官が敗戦を経験していること。今大会にメジャーで唯一参加した青木(アストロズ)は「小久保監督が選手を信頼してくれた。トップがみんなを信頼して声をかけてくれた。選手はやらなきゃいけないと感じるし責任を持つ。それがいい感じになっている」と好調の要因に指揮官の姿勢を挙げた。

 2年前は決勝トーナメント進出でチームはある種の達成感に包まれてしまった。だが、今回は…。「準決勝がすべてと思ってすべての策を練る」と一切、浮かれる様子のない小久保監督。どこが相手であろうと、もうあんな屈辱は味わいたくない。引き締まった表情には、そんな決意がにじんでいた。

 その侍ジャパンは米国時間16日午後4時(日本時間17日午前8時)過ぎ、アリゾナ州フェニックスの選手宿舎となるホテルに到着した。フェニックスの空港に到着から2時間後だった。侍たちを乗せた大型バス4台は途中まで白バイに先導され、ホテルの駐車場に到着。小久保監督を先頭に姿を見せると、フラッシュの嵐となった。

 フロリダ州タンパのヤンキースキャンプから移動してきた本紙WBC取材班の佐藤は「疲れも見えるが、みんな引き締まった表情だ」と頼もしさを感じた。

 不動の4番・筒香と、準決勝に先発が予想されるエース菅野が報道陣に対応した。筒香はリラックスした表情で「残り2試合ですので、まず準決勝に向けて試合もありますしいい準備ができたらと思います」。時折笑顔ものぞかせながら「あれだけ東京ドームにファンが来ていただいて、すごい力をいただいた。アメリカでも準決勝、決勝と勝って、ファンの方々に恩返しできればと思います」と語った。

 移動中の機内では「寝てました」という菅野は「また気持ちを新たに(臨みたい)。期待に応えるのが自分の役割ですし、自分もそのつもりでここまでやってきている。しっかりその準備だけしていきます。チーム全員でまずは準決勝、ってところに目標があると思うので、みんなで力を合わせて戦っていければと思います」と力を込めた。

 準決勝は厳しい戦いが予想されるが、4番とエースを中心に侍は必ず勝利をつかむ。