【フロリダ州タンパ発】ヤンキースの田中将大投手(28)は14日(日本時間15日)、次回登板予定の17日(同18日)のタイガース戦に備えてブルペン投球を行った。全球種を交えて26球。その後はみっちりとウエートトレを行うと、午前中には球場を後にした。

 マイペース調整が奏功し、順調に開幕へ向かっている田中だが、“アクシデント”に備えているのがロスチャイルド投手コーチだ。次回でオープン戦4度目の登板となるが、イニング、投球数を安易に増やすことはしないという。

「シーズン入ってからもそうだが、体の状態や肩の仕上がり具合、そういうところを全部見ながらやっている。けがをさせないことが第一だ。(前回4回を投げたが)無理して5イニング投げさせるようなことはしない」

“自分の状態を誰よりも冷静に把握している”との評価から、ここまでの調整に関しては田中の意向を尊重してきたが、「最終的には我々の判断にはなると思う」。それは長年、監督、コーチを務めてきた教訓に基づく。

「選手というのは、どうしても『投げたい投げたい』という競争心が強いから、こっちでブレーキをかけることも必要なんだ」。開幕が近づくほど選手は気持ちを高めていくが、入れ込み過ぎてマイナスに働くこともある。そこを見極めることが重要な仕事ということだ。

 すでにシーズン同然の感覚で登板に臨めているという田中。静かに見守るコーチの下で、着実に調整を進めていく。