【WBC侍ジャパンドキュメント2017(3月6日)】日本が1次ラウンド第3戦(10日、東京ドーム)で対戦する中国は6日、京セラドームで西武との強化試合に臨み0―5で完封負けを喫した。失策が絡んでの失点など本番を前に不安を露呈した格好だが、WBC取材班の福田は「決して侮れない」と感じた。

 中国を率いるマクラーレン監督は元マリナーズ監督で、現在はフィリーズのコーチを務める。「私は日本野球をリスペクトしているが今回は大谷(日本ハム)、ダルビッシュ(レンジャーズ)、前田(ドジャース)、田中(ヤンキース)のようなスーパースターターがロースターに入っていない。基本に忠実なプレーをして最善を尽くしたい」と不敵な笑みを浮かべる。

 4日に強化試合を戦ったオリックス関係者は「大ざっぱな野球だが、何をやってくるか読めないところが不気味。日本のような重圧がない分、思い切った戦いができる」と警鐘を鳴らす。

 この日も目を引く采配があった。捕手登録の孟偉強を4番・左翼で先発起用すると8回に、その孟を投手起用する“奇策”を披露。打っては器用な右打ち、守っては補殺を記録するなど輝きを放った孟に指揮官は「彼は『中国の大谷』だよ」と胸を張った。

 中国はメジャー通算82勝左腕のブルース・チェンを招集するなど史上最強と言える布陣。“弱者の兵法”を心得るマクラーレン監督の手腕がミックスされれば、この日の開幕戦で初出場のイスラエルが韓国を延長10回の熱戦の末、2―1で振り切ったように大番狂わせの可能性もある。