今季から「申告制」で投球省略へ ヤンキース田中「敬遠問題」を語る

2017年02月23日 16時30分

ストレッチしながらグラウンドを見つめる田中(ロイター=USA TODAY Sports)

【フロリダ州タンパ22日(日本時間23日)発】ヤンキースの田中将大投手(28)が、今季から導入される見込みの「敬遠の申告制」について持論を展開した。ベンチからの合図で4球投げなくても敬遠を認められるというもので、米スポーツ専門局ESPN(電子版)は米大リーグ機構(MLB)と選手会が同制度の導入に合意したと報じている。ジラルディ監督は「大した問題ではない」ととらえているが、直接影響を受けるエースの見解はリアルなものだった。

 

「あくまでも僕の考え」と前置きし、田中はこう続けた。「投手に関していえば楽になると思う。野球って間合いのスポーツですから。『間』ってすごい大事で、敬遠するための4球の『間』もあるし、敬遠するってことはピンチなわけで、4球軽く投げる『間』もある。軽く投げた後に、また(次打者相手に)スイッチを入れ直して(気持ちを)ガンッと入れる…それをしなくてよくなる」

 

 心身ともに張り詰めた状態から、いったん気持ちを抜いて投げないといけない敬遠は、投手にとって大事なテンポやリズム、集中を損ないかねない。その要素がなくなることは、投手の立場からすると助かるというわけだ。

 

 さらに田中はこうも語った。

 

「敬遠でホワーンと(山なりに外して)投げるのが苦手な投手もいる。暴投になるケースもあるわけじゃないですか。昔あった敬遠球を打ってサヨナラとか、去年、サンチェスがやった敬遠球を犠飛にしたとか…そういうドラマはなくなります。投手にとっては悪くないと思いますけど、ファンにとってはそういう印象に残るドラマは一つ減るのかなと思います」

 

 田中の脳裏によみがえったのは昨年9月10日、本拠地でのレイズ戦だ。ヤンキース2点リードの8回無死二、三塁で打席に立ったサンチェスに対し、相手ベンチは敬遠を指示。しかし、初球が外角のストライクゾーンに入ったところを強振し、中堅に犠飛を打ち上げて貴重な追加点を挙げた。こうした生身の人間同士だからこそ起こる予想外のドラマがなくなってしまう点も、一野球人として問題提起した。