【フロリダ州タンパ20日(日本時間21日)発】ヤンキースの田中将大投手(28)がオレ流ならぬ“マー流調整”で4月2日(同3日)に敵地で行われるレイズとの開幕戦勝利を目指している。
前日、打者を立たせた投球練習「ライブBP」を行い25球を投げた田中は直前のブルペンと合わせて計51球を投げたこともあり、この日は軽めのキャッチボールと野手を交えた投内連係などで練習を終了した。これまでのペースだと2日ほど空けて、次の投球練習となるところだが、中1日の翌21日(同22日)に再びブルペン投球を行うことが決定。ライブBPから実戦形式の投球練習「シミュレーション・ゲーム」↓実戦登板という流れが定番だけに、やや変則的ともいえる。
今季でメジャー4年目だが、心身ともに安定した状態でキャンプを過ごすのは移籍後初といっていい。3年連続で開幕投手を務めることもすでに決まっているだけに、投球の強度など調整ペースもこれまでと変わったものになっても不思議ではない。
田中は「例年も開幕投手と言われてなくてもそこを目指してやっている。開幕に合わせるのは変わらないので(調整ペースを)大きく変えることは正直、ないです」と語っているが、実際はどうか。ロスチャイルド投手コーチはこう明かす。
「彼は誰よりも自分の体について分かっている。当然去年とは状況が違うが、2人でうまくコミュニケーションを取り合って、本人がやりたいと言ったことに対して、こうしたらどうかというのを提案してスケジュールを組み上げている」
つまり、例年通りのことを行うだけでなく、田中自身の感覚をより重視した、臨機応変なスケジュールを組んでいるというわけだ。これも3年間で積み重ねてきた実績があってのもの。首脳陣からの厚い信頼のもと、田中は自己流の調整でシーズンに備える。