【マサチューセッツ州ボストン発】米大リーグ機構が選手会にストライクゾーンを5センチ引き上げることを提案している。機構は昨年から検討しており、競技委員会と規則委員会では既に承認されているという。選手会が合意すれば採用となるが、現時点では不透明だ。

 そんな中、米スポーツ専門局ESPN(電子版)は20日(日本時間21日)、「もしストライクゾーンが(5センチ上に)動けば、誰が勝ち組となり、誰が負け組となるか」という特集記事を掲載した。

 同サイトは低めへの制球、とりわけ低めへの決め球で見逃し三振などを奪う傾向になる投手が“負け組”になるだろうと指摘。その中でも負け組トップに挙げられているのが、79個の見逃し三振を奪っているカブスの右腕ヘンドリクス。昨季は16勝(8敗)をマーク。防御率2・13はナ・リーグトップだった。同僚で昨季19勝の左腕レスター、同18勝の右腕アリエッタの名前も挙がっており、採用されればカブスには不利に働きそうだ。

 カブスに移籍した上原浩治投手(41)は2種ある伝家の宝刀スプリットと高めのストレートを駆使して打者を惑わす投球スタイルだけにプラスだろう。一方、ツーシームやスプリットの低めへの精度を生命線としているヤンキースの田中、マリナーズの岩隈久志投手(35)は影響が心配される。