巨人のドラフト指名選手15人(育成8人を含む)が6日、川崎市内のジャイアンツ寮に入寮した。ドラ1・吉川尚(中京学院大)と並んでスポットライトを浴びたのが7位の廖任磊(リャオ・レンレイ=23、台湾)だ。201センチ、125キロとまさに規格外の超大型新人投手なのだが、驚くべき事実も判明した。

 希望に満ちあふれたルーキーたちが大きな荷物を抱えながら次々と巨人の門をくぐった。その中でひと際、カメラマンのフラッシュを浴びたのが廖だ。この日は早朝4時に起床して台湾から来日。新生活に向けて最低限の野球道具を持ち込み「二軍でも一軍でも試合に出るために1月、そして2月のキャンプで準備したい」と抱負を語った。

 ただ、やはり目を引くのはドラフト史上最大の肉体だ。寮内の見学では、さっそく長身ならではの場面に出くわした。松井秀喜氏(ヤンキースGM特別アドバイザー)が巨人時代に練習で使用した「松井部屋」を訪れると、入り口で頭がぶつからないように体をすぼめながら入室。「慣れてますから」と苦笑いしたが、気苦労は少なくない。体の疲れを取ってきた特注ベッドとは台湾でお別れ。寮では外国人選手が残したベッドを代用するそうだが「見た目は小さいですね。やや短いけど、何とかなります」と頭をかいた。

 その正体はベールに包まれたままだが、驚くべき事実の一端も明らかになった。廖本人によると「前回、2~3年前に身長を測った時は197センチぐらいでしたけど(昨年11月下旬の)メディカルチェックでは201センチでした。どこまで伸びるのかは自分でも分かりません」という。

 何と20歳を過ぎても身長が伸び続け、いまだ“成長期”というからビックリだ。この事実に球団スタッフも「そんなことがあるのか…。本当に規格外の新人だ」と絶句するばかり。NPB史上で歴代長身選手のトップは2014年に楽天でプレーしたファンミルの216センチ。日本人では諸説あるものの、巨人時代の馬場正平氏(故ジャイアント馬場)の203センチとされている。廖がこのペースで伸び続けると“馬場超え”を成し遂げる可能性は十分ある。

「入寮したことで今日からがスタート。(9日から始まる新人合同自主トレに向けて)準備して練習に励みたい」と気合を入れ直した異色の右腕。身長だけでなく、野球でもどんな成長を見せてくれるのか。