阪神、ヤンキース、オリックスでプレーし、今季所属球団がなかった井川慶投手(37)が22日、関西独立リーグの兵庫ブルーサンダーズと選手練習生契約を結んだ。背番号は阪神、オリックス時代と同じ「29」。兵庫県三田市で入団会見を行い「野球への思いはまだ残っている。どこでやろうと野球は野球。チームの力になれるよう頑張っていきたい」と抱負を述べた。

 今年2月末から元阪神トレーニングコーチの兵庫・続木監督の協力を得てチームの練習に特別参加していた。現状ではリーグの公式戦には出場できず、ふくらはぎ、腰などの不調もあって「140キロ程度の速球が出るくらい」(井川)だそうだが、キャンプなどで状態が上がれば選手契約となる。昨年、藤川(現阪神)が四国アイランドリーグplus高知と選手契約を結び、無報酬でプレーしたが、井川も兵庫で選手に昇格しても年俸は0円。

 ヤ軍時代に得た「5年20億円」は倹約家らしく手つかずの状態でお金の心配は全くないようでNPBへの復帰についても「あまり先のことは考えていない。今年1年投げていないんで、まずは投げれるようになってそれからもっと上を目指したい」と相変わらずのマイペース発言だった。

 そんな井川だが、古巣・阪神の若手投手陣については「いい素材は多い。ドンドンと出てきて盛り上げてほしい。言われてどうこうじゃなく自主性の練習で上を目指してほしい」と発言。「藤浪も(相手の)得意、不得意はあるだろうけど、体が悪くならなければ大丈夫。セ・リーグなんで難しいところはあるけど(1シーズン20勝は)いずれできますよ」とエールも送った。

 阪神時代は「すし100貫食べた」「趣味はラジコン飛ばし」「貯金通帳を何十冊持っている」など数々の伝説を残したが、藤川、能見らも一目置く存在であった井川。「もし(自分に)話が聞きたいとかあれば聞いてもらっていい」と“虎投手の相談役”も買って出ており、2年目の金本阪神にとって頼もしい存在になるかもしれない。