日本ハム・木田GM補佐が明かす 履正社・山口6位強行指名の真意

2016年11月02日 10時00分

木田優夫GM補佐

【赤坂英一「赤ペン!」】日本ハムの試合を取材に行くたび、いつも私に鋭い視線を注いでくるのが木田GM補佐である。先の日本シリーズでも、球場で私の姿を認めるやいなや、また現れたか、と言わんばかりに人さし指を突きつけた。試合中にも記者席で私のスコアブックをのぞき込み、「真面目に仕事してるんですか」と聞いてくる。このように、木田GM補佐のチェックは実に厳しい。

 

 そんな木田GM補佐にとって、目下最大の懸案は、ドラフト6位で指名した履正社の左腕投手・山口裕次郎との入団交渉だ。「4位以下なら社会人のJR東日本に行く」と表明していた山口を、6位で強行指名した理由は何だったのだろうか。

 

「山口投手とJR東日本との間には、4位以下の指名なら必ず入社するという約束があるわけではない。いわゆる“縛り”をかけられている状態ではありません。高野連にはプロ志望届が出ているし、入団の可能性があるのならと指名に踏み切りました。そうした事情は担当スカウトが確認しています。それなら3位で指名しろと言われるかもしれませんが、ウチにも即戦力野手を上位で指名しなければならない事情がありました。それでも指名したいぐらい、彼がいい投手だということ」

 

 日本ハムとしては3位以上と同等の評価をしているそうで、今後も粘り強く交渉する構え。一方で、「JR東日本が山口投手を受け入れる予定にしているのなら、結論を長引かせるのもどうかという事情もある」と木田GM補佐。見通しは予断を許さないが、最後まで誠意を尽くすつもりだ。

 

 初めて木田GM補佐と会ったのは、1989年の自主トレ期間中で、昔のよみうりランドの室内練習場だった。当時、私は駆け出しの記者、彼は将来を嘱望される巨人の若手投手で、のちに先発にリリーフに大活躍したことはご存じの通り。寮の部屋には大量の漫画や書籍が山積みにされて、元ヤンキース投手の評伝を薦められて読んだ記憶がある。これがなかなか面白く、おれも自分の本を出せるようになりたいものだと思っていたら、一応実際にそうなった。

 

 ちなみに、日本ハムの吉村GMは元スポーツ紙の記者で、当時は一緒に巨人の取材をしていた。「ウチのGMと(栗山)監督ほど野球の好きな人はいません。ぼくなんかかなわない」と言うときだけ、木田GM補佐は昔の若手投手の顔に戻る。