【ニューヨーク27日(日本時間28日)発】右前腕部手首付近の張りで登板回避したヤンキースの田中将大投手(27)が、チームドクターから投球許可が下りたことで5日ぶりにキャッチボールを再開。あと1/3回で到達する200イニングと防御率タイトルのかかる次回登板に向けて意欲を示した。一方、ジラルディ監督はチーム状況を見ながらとした。

 この日の診察で患部に異常なしを確認した田中は、グラウンドで5日ぶりのキャッチボールを行った。バッテリー間の距離でボールの感触を確かめながら10分弱。穏やかな表情でロッカールームに引き揚げるや、日米メディアに取り囲まれた。

 田中はチームドクターからOKが出たことを明かし、「(投球後の違和感は)まったくないです」。最終登板については「決めるのはチームだとは思うので、こればかりは分からないですね。僕はもちろん投げたいですけど」とキッパリ。登板時にチームのプレーオフ進出が消滅、終戦していてもか、と聞かれると「そうですね。どういう状況であれ、それは関係なしに僕は投げたいと思ってます」と口にした。

 最終登板は10月1日(同2日)、本拠地でのオリオールズ戦が濃厚。ジラルディ監督も安心した様子で「(望ましいのは)明日、あさってにブルペンに入って、もう1回最後に登板することだ。先発ローテーション通りなら土曜日(1日)だね」と語った。

 ただ、田中の登板前に終戦した場合などについて指揮官は「(田中と)話はしていない。日々、戦っているし状況は変化している。重要なことだとは思うが、それについては(フロントなどと)話し合う」。前日の時点でエースの防御率3・07はア・リーグトップ。タイトルの行方が判断に影響するか聞かれると「全く考えたことはない」。

 田中にとってレギュラーシーズン最後のマウンドに上がることは“1年間休まず投げ抜いた”エースの証しだ。米メディアからタイトルについて聞かれた右腕は「それは結果として(獲得できて)良かったな、と言えることのひとつだと思う。一番はシーズン通して仕事をすること。やっぱりこの2年できてなかった。(今季は)前回1回飛ばしてしまいましたけれど、それが今年はできたんじゃないかなってことが一番の収穫だと思います」と胸を張った。万全の調整を重ねて待つ。