【フロリダ州セントピーターズバーグ22日(日本時間23日)発】ヤンキースのジョー・ジラルディ監督は田中将大投手(27)が、右前腕部の手首付近の張りを訴えた影響で先発を1回飛ばすと発表した。今後、5日間ノースロー調整となり、10月1日(同2日)の本拠地でのオリオールズ戦での登板を目指す。

「タナカはトロント(ブルージェイズ戦)には投げない」

 指揮官のいきなりの発言に、日米メディアが色めき立った。前日のレイズ戦では、3回に自己ワーストの3者連続を含む1イニング4被弾を喫するも、4回以降は修正して6回4失点で勝利。メジャー自己最多の14勝目(4敗)を挙げただけに衝撃が走った。

 ジラルディ監督の会見後、日米メディアに取り囲まれた田中は淡々としていた。張りを感じたのは登板後で、投球時は「全然問題なかったです」。ボールの切れの悪さや4被弾を許した関連については「それは自分の投球がただ悪かっただけだと思うんで、大きく関係はしてないと思います」と否定した。この日、磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受けたが、症状は軽いという。

 今回は“エースに万が一のことがあってはならない”、とチームが大事を取ってのことだが、米メディアからは症状や深刻度について質問が繰り返し浴びせられた。

 田中は「全然心配はしてないです。(症状は)張りです。痛みはまったくないです」とした上で、「自分としては症状は軽いんで。チームからストップがかかって、ちょっと大事にいこうと言ってもらえたから、っていうところですよね。だから心配してないです」と穏やかな表情で答えた。今季中の復帰についても「もちろん! はい」と強い口調で誓った。

 とはいえ、このタイミングでのエースの離脱はチームにとって痛い。地区優勝はほぼ絶望だが、ワイルドカード圏内に2・5ゲーム差と可能性を残している。田中が26日(同27日)に登板予定だったブルージェイズはワイルドカード争いの上位チーム。勝たなければいけない相手だけに、田中も「すごく残念だし、せっかくここまでローテーションを守ってきて、レギュラーシーズンもあと少しで終わるってときに、チームにとっても大事なときでこういうふうになってしまうのは悔しいですね」と無念の表情を浮かべた。

 エースの不在中に今季終戦にならなければいいのだが…。