【デスクと記者のナイショ話】

 NPB担当記者:2017年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド(3月7~11日、東京ドーム)で日本はキューバ、中国、オーストラリアと対戦しますが、メジャー組を擁するキューバと対戦する可能性が出てきました。

 デスク:そんなに心配しなくてもいいんじゃないの。キューバの亡命組は出場できないだろ?

 記者:それが米国との国交正常化の動きを受け今年3月、亡命組がWBCに出場する可能性が報じられました。主催者であるWBCインクのジム・スモール・アジア代表は「まだキューバ連盟から候補選手のリストが上がっていないが、リストにメジャーリーガーがいた場合、(MLBの)各球団に出場を働きかける」と否定しませんでした。

 デスク:亡命組が必要になるほどキューバも必死というわけか。

 記者:ハイ。キューバはデスパイネ、グリエルら“国内組”で臨んだ昨年11月の「プレミア12」で準々決勝で韓国に敗れました。亡命組が招集された場合、170キロ左腕チャプマン(カブス)を筆頭にセスペデス(メッツ)、プイグ(ドジャース)などドリームチームが結成されるかもしれません。

 デスク:そうなると日本にとっては厄介だな…。メジャー組がやはり必要じゃないのか。8月に小久保裕紀監督(44)が渡米して、日本人メジャーリーガーに会っているよな。

 記者:イチロー(マーリンズ)、田中将大(ヤンキース)、ダルビッシュ有(レンジャーズ)、前田健太(ドジャース)ら日本人メジャー契約全8選手を視察しました。招集に関しては現段階では何ともいえませんが、メジャー組をなんとか招集したい意向に変わりはありません。

 デスク:先発投手はいいけど「プレミア12」で露呈した中継ぎ不足の件はどうなっているんだ? セットアッパーの田沢純一投手(30=レッドソックス)を招集できないのか?

 記者:田沢に関して熊崎コミッショナーは「即答できない。幅広く検討するということ」と明言を避けてますが、前回大会までの経緯からも招集は難しそうですね。

 デスク:日本のドラフトを経ずにメジャーに行った田沢はやはり呼びづらいか。亡命したわけでもないのに、キューバよりも日本の方がハードルが高いみたいだな。