【ミズーリ州カンザスシティー30日(日本時間31日)発】ヤンキースの田中将大投手(27)は30日(日本時間31日)、敵地でのロイヤルズ戦に先発した。その右腕の新女房を務め、爆発的な打棒で全米を驚かせている新人のゲーリー・サンチェス捕手(23)が新人王を取れるかどうかに注目が集まっている。

 サンチェスは前日、新人ではメジャー史上初となる2週連続の週間MVPを獲得した。打率5割2分2厘、5本塁打、9打点だった。メジャーデビューは昨年10月3日だったが、2試合に代打出場しただけで新人王資格を有する。もっとも、今年は5月13日の1試合に出場してマイナー降格。8月3日に再昇格してからブレークしたため、30日を含めシーズン終了まで残り32試合全てに出場しても55試合に過ぎない。

 だが、メジャーの新人王資格には打席数、投球回数などの規定はない。1959年のナ・リーグ新人王のジャイアンツのウィリー・マッコビーは52試合、打率3割5分4厘、13本塁打、38打点。その後、大砲として活躍し、実働22年で通算521本塁打をマーク。86年に野球殿堂入りした。サンチェスは29日(同30日)時点で打率3割9分8厘、11本塁打、21打点だ。

 ライバルの29日時点の成績はレンジャーズのノマル・マザラ外野手(21)は119試合で打率2割7分9厘、15本塁打、50打点。インディアンスのタイラー・ネークイン外野手(25)は91試合で打率3割3厘、14本塁打、39打点。ツインズのマックス・キャプラー外野手(23)は87試合で打率2割4分6厘、15本塁打、58打点。タイガースのマイケル・フルマー投手(23)は21試合で10勝5敗、防御率2・69をマークしている。

 いずれも素晴らしい成績だが、インパクトはサンチェスが最も強い。高打率をキープし、本塁打が20本を超えれば、大逆転の可能性も出てくる。さらに捕手としてヤンキースをプレーオフに導けば…。新人王争いでミラクルを起こせるか。