【ワシントン州シアトル24日(日本時間25日)発】楽天の元エース対決は田中が連勝――。マリナーズの岩隈久志投手(35)とヤンキースの田中将大投手(27)が4月17日(同18日)に続き、今季2度目の対決。7回6安打無失点の田中が6回6安打3失点の岩隈に投げ勝ち、11勝目(4敗)をマーク。岩隈は9敗目(14勝)を喫した。マリナーズの青木宣親外野手は1番・左翼で先発出場し、3回に田中から左翼線二塁打を放つなど4打数2安打だった。

 走者を出しながらも無失点。エースの風格だった。1回から5回まで毎回安打されながらも得点を許さず、2試合連続のハイ・クオリティースタート(7回以上、自責点2以内)。前々回の登板から3試合にまたぎ16回連続の無失点で防御率を3・11とした。

 初回は二死からカノに右中間へ安打されたが、右翼手の補殺で二塁でタッチアウト。2回は一死から連続安打と盗塁で二、三塁。ここで後続を投ゴロと遊ゴロに抑えてピンチを脱出した。3回は一死後青木に左翼線二塁打され、2番スミスに四球。7月27日(同28日)のアストロズ戦から続けてきた連続無四球記録は133打者でストップした。一死一、二塁でカノを三ゴロ併殺に打ち取った。

 4回は二死一塁で、この試合最初の三振。5回は一死からバント安打を許したが、青木をスプリットで空振り三振、スミスを三ゴロに仕留めた。6回は初の三者凡退。7回は一死から2者連続の見逃し三振をツーシームとフォーシームで奪い、締めくくった。

「特別良かったわけではないです。走者を出して粘りながら無失点に抑えられたことが一番良かったです。序盤は本当に力みがちで、ちょっとおかしいなと思いながら投げてたので、回を追うごとに力みが取れてきました。三振を取るというより、しっかりと打たしてアウトを取っていこうというマインドに切り替えてから良くなりました」と振り返った。

 立ち上がりの力みは岩隈との対戦を多少でも意識した部分があったからだろうか。「それは関係ないです。中軸にいい打者が揃ってますし、打線が当たってるというのが頭の片隅にあったからだと思います」と田中は否定した。

 チームはこの日の勝利で今回の遠征6試合で田中の2勝を含め、4勝2敗と勝ち越した。「シアトルはワイルドカードを争っている中で自分たちより上にいるチームなので大事なシリーズだったと思います。今日勝ってニューヨークに帰れるのは良かったと思います」と田中。ワイルドカード出場へ4・5ゲーム差。あきらめるわけにはいかない。エースとしてマウンドを守り続ける。