【ニューヨーク19日(日本時間20日)発】ヤンキースの田中将大投手(27)が前回の登板で投じたツーシーム(シンカー)の鋭い切れ味に、米メディア、ファンが驚がくしている。データサイトのブルックス・ベースボールによると、17日(同18日)のレッドソックス戦で田中が投げたツーシームは全87球のうち23球だった。ちなみに田中は会見でツーシームと説明することもあれば、シンカーと話すこともある。

 FOXスポーツ(電子版)は「ヤンキースの投手が今季一番とも言えるえげつない球で女房役の捕手を慌てさせた」として、サイトに動画をアップ。2回二死一、二塁でレッドソックスの9番ホルトに対して投げた初球のシンカーが左打者の内角から真ん中へ鋭く切れ込んだ。ヤンキースのロマイン捕手は内角に寄せたミットをサイン違いのように、慌てて真ん中へ動かしている。想定を超えた変化だったことは間違いない。

 同サイトは「田中が混乱させようとしているかどうかは別として、この球は打てるわけない」と驚嘆。田中が魔球を投げたような扱いだった。ブルックス・ベースボールは、田中がホルトに投げたシンカーは、水平に9.1インチ(約23センチ)動いたと計測した。

 また、話題の映像を紹介する米大リーグ公式サイトのCUT4でも田中の魔球を取り上げた。「田中のダーティー・ツーシーマー」と名付け、「内角からホームプレートの真ん中へ鋭く曲がった」と解説していた。

 田中は今季からツーシームを多投して打たせて取る投球にモデルチェンジ。フォーシームの割合を減らしたことで「力強さがない」などの批判もあったが、操る感覚を会得した今、スプリットやスライダーに並ぶ、第3のウイニングショットになりそうだ。

 この日の田中はウオーミングアップ、ストレッチ、軽めのキャッチボールでグラウンドでの練習を終了。中4日で登板する22日(同23日)のジャイアンツ戦に備えた。