
ソフトバンクの五十嵐亮太投手(37)が一軍に帰ってきた。今季は6試合に登板し防御率0・00だったが、左太もも裏の肉離れで離脱していた。
ただ、百戦錬磨のベテラン右腕は転んでもただでは起きない。
「けがをしないのが一番だけど、プラスにしたかった」と話すように、二軍戦で150キロ超えを連発するなど、スピードボールが復活した。その要因は何だったのか。
昨季は目に見えて球速が落ちた。五十嵐自身も「自分では体力の衰えを感じてないのに落ちるって、こうやって年をとって辞めていくのかなという思いもありながら、そんなはずはないという自分もいて…。何でだ、という思いがあったんです」と明かす。
そんな中で一つのきっかけにもなったのが、今年4月に日米で話題となった「170キロ返球」だとか。大リーグ公式サイトによると、ヤンキースのアーロン・ヒックス外野手の返球が史上最速の169・7キロを記録したというものだ。
野手と投手では違うが、年齢を重ねても球速を追い求める右腕はヒントを探った。
「外野だし、勢いをつけているんだけど、これくらい押し込んでいったら、こういう球を投げられるんだろうなというのを考えた。全部当てはめるわけにはいかないが、これがオレに足りない部分だなというのがあった。そのためにはどうすればいいのかを考えた」
そこから投球フォーム改造への試行錯誤が始まった。リリースを高くするための方法を模索し「去年はひじが痛くてごまかしながら投げていたところがあり、悪い癖がついていた。フォームのバランスを考えて結果速くなった」と語る。
30代後半になって直球のスピードが復活し、まだまだ元気いっぱいの五十嵐。首位を独走するチームにさらに勢いがつきそうだ。