イチロー偉業 ローズ氏「日米通算記録」に異議、A・ロッド「メジャー以外も尊重すべき」

2016年06月17日 05時00分

【カリフォルニア州サンディエゴ15日(日本時間16日)発】ついにローズを超えた。マーリンズのイチロー外野手(42)は敵地でのパドレス戦に1番・右翼で2試合ぶりに先発出場して、2安打を放ってピート・ローズが持つメジャー歴代最多の4256安打を日米通算で上回った。初回の捕前安打で並ぶと、9回に右翼線二塁打を放ち、4257安打とした。次のマイルストーンはあと21に迫ったメジャー通算3000安打だ。

 イチローがついにローズを超えた。ペトコ・パークが揺れたのは9回二死一塁だった。マウンドはパドレスの守護神ロドニーだ。

 カウント2―1からの4球目、133キロのチェンジアップをフルスイングするとライナーが右翼線で弾んだ。一塁を一気に蹴ったイチローは二塁ベースに達した。日米通算で新記録となる4257本目の安打は鋭い二塁打だった。球場のスクリーンではイチローが日米通算でローズ氏の記録を上回ったことが紹介された。スタンドのファンはスタンディングオベーション、両軍ベンチも拍手。イチローは表情を変えることはなかったが、ヘルメットを取って声援に応えた。初回に放った4256本目は捕前内野安打。相手先発ぺルドモの149キロの外角低めのツーシームにバットの芯を外され、一塁線沿いへのボテボテのゴロ。捕手・ノリスは素手でつかんで一塁へ送球したが、イチローはすでにベースを駆け抜けていた。スタンド、ベンチから拍手が送られると思わず苦笑いした。続くプラードの中前打で二塁に進み、3番イエリチの左前打で先制のホームを踏んだ。その後の3打席は凡打だったが、9回に歴史に残る安打を放った。

 4257安打は偉業だが、日米通算での記録ということで全米では素直に評価されているわけではない。ローズ氏は13日(同14日)付の米USAトゥデー紙で「日本では私を安打のクイーン(2番)にしようとしている。殿堂入りする実績があるイチローから何かを取り上げるつもりはないが、日本では次は高校時代の安打まで数えるんじゃないか」と異議を唱えた。

 かつての同僚だったヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手(40)はこの日、「(ローズの記録について)メジャーリーグはメジャーリーグ。世界で最も偉大なリーグだ。だがそれ以外のリーグも尊重すべきだと思う」とローズ氏とイチローへの敬意を語った。

 米スポーツ専門局ESPNのバスター・オルニー記者は番組で「(日米通算は)私は嫌いだ。なぜなら、(ピート・ローズとイチローの)双方に対するリスペクトに欠けると思うからだ」と否定する一方で、こう付け加えた。「それよりも、彼の(メジャー)1年目を思い出してほしい。あの時、彼は27歳だ。そこから3000安打を達成しようとしている。信じがたいほど素晴らしいことではないか」。ローズ超えは金字塔ではあるが、イチローが目指しているものではないだろう。あと21本としたメジャー史上30人目の通算3000安打も通過点。「50歳までプレーする」を掲げる球史にさんぜんと輝く安打製造機の目標は限界を超えることだ。