日本ハム・大谷 170キロもいける!

2016年06月13日 16時00分

6回、二死二、三塁のピンチをしのいだ大谷はガッツポーズ

 日本ハム・大谷翔平投手(21)が12日の阪神戦(札幌ドーム)で計り知れない「170キロ」への可能性を提示した。7回3安打無失点8奪三振で5勝目(4敗)をマーク。さらに自身の持つ日本最速タイ163キロを5球計測したばかりか全107球中、毎回の31球が160キロオーバーの超速球だった。排気量の上がった新フォームに方向性が見えてきた大谷の剛球が、さらにうなりを上げそうだ。

 

 立ち上がりから虎打線を圧倒していた。いきなりフルスロットルの大谷は初回から160キロオーバーを7球も連発し鳥谷、西岡、ゴメスの上位3人を3者連続空振り三振。初回は140キロ台後半のストレートで入り、徐々に上げていく“スロースターター”のイメージを覆した。

 

 その後も毎回の160キロ計時で打者を押し込み鋭く落ちるフォークとのコンビネーションで相手を寄せ付けなかった。直球の平均球速は驚異の159.7キロ。ヤンキースの守護神チャプマンの161.1キロには及ばないものの、先発では世界最速だ。

 

 大谷は「これを年間続けるわけにはいかない。ただこういうパターンもあるということを自分で確認できたことはよかった。ひとつの引き出しになります」とサラリ。その上で、31度の160キロ台計測に「それは意図的に出しているわけではない。全体的なバランスの中で出せているもの」と新フォームに手応えをつかんだ様子だ。

 

 オフの筋力強化で瞬発系のパワーがさらに上がった大谷の課題は、そのパワーをどうボールに無駄なく伝えていくか。

 

 大谷とともにその課題に取り組む白水直樹コンディショニングコーチは「筋力をつけるとどうしても重心が(体の中心から)外へ行ってしまうから遠心力で腕が大回りしてしまう。腕の振り幅が長いほど打者にも(ボールが)見やすいということにもなる。それをいかにコンパクトに踏み出した捕手方向に向けるか。この(力を)まとめる動きがダルビッシュは抜群にうまい」と解説する。

 

 この取り組みの大前提となっているのが、ケガをしない理にかなったフォームづくりだ。白水コーチは新フォームの完成度を「進歩はしていますけど、まだまだ彼の持っているポテンシャルに対して本人の理想には程遠い。やらなきゃいけないことは多いし、僕らが見てもまだまだ改善できる余地はあります」と断言した。

 

 全ての球種を思い通りの体の使い方で、思い通りの球速や動かし方で狙い通りの場所に投げるための改良に挑む二刀流右腕。理想の50%にも満たないという未完の状態で出た163キロには夢の170キロをも射程圏とする余地がまだ十分に残されている。