【フロリダ州タンパ17日(日本時間18日)発】ヤンキースの田中将大投手(27)のメジャー3年目がスタートする。米大リーグ機構の公式サイトは田中を開幕投手と予想するなどエースとしての期待は高い。それに加え、15日(同16日)にまい夫人がニューヨーク市内の病院で第1子となる男児を出産。パパとしてマウンドに立つ。

 そんな田中にエールを送る男がいる。昨年10月にアルコール依存症を告白し、リハビリ施設で治療を行ったC・C・サバシア投手(35)だ。通算214勝とメジャーを代表する左腕は4人の子供の父親。キャンプ中も幾度となく親子で球場入りするなど、チームで一、二を争う子煩悩だ。

 パパの“先輩”であるサバシアはこうアドバイスを送る。「(子供が生まれると)すべてが速いスピードで進むから、できる限りその過程をエンジョイして、奥さんを大切にしてあげてほしいな」。子供の成長を夫婦で見守る大切さを説いた。

 田中が楽しみにしているのが人生観の変化だ。まい夫人の妊娠を発表した昨年9月に「お子さんがいる方からは『自分の人生が違ったものになってくる』と言われたりもするので、(それが)自分にとっていい方向にすべてつながっていけばいいかなと思います」と語っていた。

 サバシアも同意見だ。「(子供の存在で)生活はものすごく大きく変わったよ。子供たちは私の投球が良かったか悪かったかなんて気にしていない。たとえ長い回を投げて1失点だろうと、11失点だろうともね。とにかく父親が早く帰ってきて、家にいてほしいと思っているんだ。子供たちは私の人生を楽しく、考え方をシンプルにしてくれた」。復活を目指す左腕を支えているのは、間違いなく子供の存在だ。

 父親の自覚だけでなく、エースとしても「そういう思いは強く持っていこうとは思ってます。今までよりもバリバリ意識して」。背番号19の飛躍の1年が始まる。