果たして“ゴジラ塾”の入門者は誰なのか。巨人OB・松井秀喜氏(41=ヤンキースGM特別アドバイザー)が古巣の宮崎春季キャンプに臨時巡回コーチとして参加する。チーム内では同氏が直接指導に強い関心を寄せていると思われる一軍メンバーの名前が、具体的に挙がり始めている。その候補者リストの中には“意外な男”の名があった。

 注目のキャンプインまで残り1週間を切った。盟友・由伸監督率いる新生巨人の船出を手助けしようと、キャンプで臨時巡回コーチを務める松井氏は、様々なプランを練りつつ着々と準備を進めている。あくまでも「自分は主役ではないので黒子役に徹したい」との姿勢を貫いているだけに直接指導は主に二、三軍が中心となりそう。もちろん、一軍を完全スルーするわけではない。由伸監督との話し合いによって古巣の近況と濃密な情報を得た松井氏は、一軍メンバーのうち「強化指定選手」となるべき数人の名前をインプットしているという。

 一昨年の宮崎キャンプで臨時コーチを務めた際に熱血指導を施した“元背番号55”の大田と、プロ2年目でさらなる飛躍が期待される岡本の2人については、チーム内でも「ほぼ確定」と予想されている。だが、ここにきて誰も思い浮かばなかった名前が「ゴジラ塾入門者」に候補入りしているという。それがベテランの村田だ。

「松井さんは近年不振の続いている村田について『このまま終わってしまうような選手ではない』という見解を持っていて、ひそかに気にかけてくれているそうです。来月の宮崎で松井さんが村田にゲキを飛ばし、直接指導するシーンは大いに期待できます」(球団関係者)

 昨季の村田は故障で2度も登録抹消されただけでなく、深刻な打撃不振にさいなまれた。巨人での4年間で最低の103試合出場に終わり、打撃成績も打率2割3分6厘、12本塁打、39打点と苦しんだ。本人は背水の覚悟で今季に臨もうとしているが、新加入のクルーズや岡本の台頭で、本職の三塁も剥奪の危機にさらされている。

 本来であれば「ホームラン・アーチスト」と呼ばれるべき村田が苦しむ様子を見て、かつて日米でスラッガーの名をほしいままにした松井氏は同じ“ニオイ”を感じ、居ても立ってもいられなくなっているのかもしれない。村田にとっても松井氏から助言を受けられれば、復活の糸口を見つけるビッグチャンスにつながるだろう。

 ゴジラと男・村田のまさかの“合体”が、宮崎の地で大きな話題を呼びそうだ。